尊徳精神、“里帰り”した路面電車で学ぶ 小田原で小学生対象の経済教室

64年ぶりに〝里帰り〟した路面電車モハ202号で小田原の特産品などを販売する子どもたち=小田原市南町

 小田原ゆかりの農政家・二宮尊徳による商いの教えを学んでもらおうと、小学生を対象にした経済教室が5日、箱根口ガレージ報徳広場(神奈川県小田原市南町)で行われた。今年3月に64年ぶりに“里帰り”した路面電車モハ202号の車両で、子どもたちが実際に店を開いて地元特産品の菓子などを販売。働くことの大切さを体感した。

 尊徳を祭る報徳二宮神社(同市城内)の関連会社「報徳仕法」などの主催。同社は2019年から子どもたち向けの経済ワークショップを展開し、今回は小中学生への金融教育に取り組む横浜銀行(横浜市西区)との連携で初開催した。

 この日は地元の小学生ら11人が参加。客引きや会計など役割分担を決めて「きんじろうマーケット」を切り盛りした。車内では10~50円の駄菓子、車外では小田原特産の片浦レモンや足柄茶のキャンディー、小田原梅サイダーなどを通行人らに販売。慣れない接客や会計に戸惑いながらも元気いっぱいに「いらっしゃいませ」と声を張り上げた。

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