拉致解決へ決意新た 横田めぐみさん弟、富山で講演「コロナで忘れられてしまうと心配した」

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講演する横田めぐみさんの弟拓也さん=富山市の高志会館

  ●「可能性」の不明者、県内20人

 富山県などの北朝鮮人権侵害問題啓発講演会は5日、富山市の高志会館で開かれた。県内には北朝鮮に拉致された可能性のある行方不明者が20人いる。新潟市で拉致された横田めぐみさん=当時(13)=の弟で、拉致被害者家族会事務局長の拓也さんはコロナ禍で啓発活動ができなかった1年半を振り返り「風化して忘れ去られてしまうのではないかと心配した」と苦しみを伝えた。

 拓也さんは明るいめぐみさんの人柄や他人の遺骨を差し出してきた北朝鮮の対応、核開発に触れ「絶対に許してはいけない」と訴えた。昨年、87歳で亡くなった父滋さんは休まず、諦めず国内外で活動していたとし「父の遺志を受け継いで一生懸命活動する。生きている間に再会しないと何の意味もない」と強調した。

 支援組織「救う会」の西岡力会長はコロナ禍と国際社会の経済制裁で北朝鮮が追い込まれていると指摘。拉致問題解決を願うブルーリボンバッジを紹介し「今、多くの国民が付けて日本の怒りの声を届ける必要がある。チャンスを生かしたい」と呼び掛けた。

 冒頭、新田八朗知事は「全国知事会を通じて政府に解決促進を図る」と思いを語り、「北朝鮮に拉致された日本人を早期に救出する県地方議員連盟」の鹿熊正一会長、救う会富山の濱谷隆平会長代行もあいさつした。講演後、啓発アニメ「めぐみ」が上映された。

 講演には約100人が参加し、拉致問題の早期解決へ決意を新たにした。北朝鮮に拉致された可能性のある屋木しのぶさん=入善町、当時(19)=の家族、水島慎一さん=朝日町、当時(18)=の友人、渡邉信行さん=小矢部市出身、当時(20)=の家族も出席し、「明るい春が来るのを待ち続けたい」などとそれぞれあいさつした。