世界経済は貧富再分化の「新常態」に突入へ―中国人学者

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2021年11月30日、米華字メディア・多維新聞は、中国の経済学者が「世界経済は先進国と途上国の間で貧富の格差拡大が再加速する『新常態』に入ろうとしている」との見解を示したと報じた。

記事は、北京大学国家発展研究院の黄益平(ホアン・イーピン)副院長が先日「世界の経済発展局面は新たな変化に直面している」との考えを示したと紹介。国際通貨基金(IMF)が10月に来年の先進国の平均経済成長率が4.5%、発展途上国が5.1%となり、両者の差がわずか0.6ポイントと20世紀末とほぼ同じ水準になると予測したことを挙げ「これが新たな世界経済の『新常態』になる。今後2〜3年は、『新常態』と言われてきたこの20年とは全く異なり、20世紀の状況と同じ様になる」と述べたことを伝えた。

そして、1980〜99年の20年間における先進国と途上国の経済成長率の差が平均0.45ポイントだったことに言及し、途上国は先進国よりも高い成長率を示したものの、その差は微々たるもので「後発者として本来であればもっと高い成長率を残すはずであった途上国にとっては決して良い結果ではなかった」と解説。それが21世紀に入ると新興市場国、途上国の経済成長が一気に加速、2000〜19年の20年間には先進国よりも3.65ポイント高い経済成長率を実現し、21世紀における「世界経済の新たな常態」と称されてきたと説明した。

その上で、現在この状況が一変して途上国の経済成長が鈍り、20世紀末のように先進国との成長率の差が非常に小さくなっていることについて黄氏が、先進国の間で新型コロナワクチン接種が進む一方、多くの途上国では接種率が上がっておらず、変異株の出現などで感染が収束しない状況の中で両者の経済に再び分化が起きていること、米連邦準備制度理事会(FRB)の政策変動による影響が先進国では金融市場の上下動に留まるのに対し、経済基盤が不健全で金融システムが脆弱な途上国では金融危機などの悪い結果を引き起こし、両者の格差拡大を加速させつつあることの2点を背景に挙げて論じたと伝えている。(翻訳・編集/川尻)