第60回農林水産祭の多角化経営部門 大村・シュシュ 天皇杯 6次産業化の取り組み評価

天皇杯を手にするシュシュの山口社長(前列左から2人目)=大村市、おおむら夢ファーム・シュシュ

 農林水産業者の技術改善や経営発展の意欲向上を目的とした「第60回農林水産祭」の多角化経営部門で、農業交流拠点施設を運営するシュシュ(大村市弥勒寺町)が最高賞の天皇杯に選ばれた。6次産業化の取り組みを通じ、地域活性化や課題解決に貢献していることなどが評価された。
 2020年7月から21年6月に実施された対象の表彰行事で、農林水産大臣賞を受けた345点の中から決定。農産・蚕糸や畜産、水産など7部門で、それぞれ天皇杯、内閣総理大臣賞、日本農林漁業振興会会長賞を贈った。表彰式は11月23日に東京で開かれた。
 シュシュは2000年に農業交流拠点施設「おおむら夢ファーム・シュシュ」をオープン。農産物直売所やレストランをはじめ、食育・農業体験、農家民泊など多角的に事業を展開し、年間49万人が利用する。大村産の農産物を中心にアイスやジュース、菓子類などこれまで500以上の加工品を開発し、全国で販売している。
 シュシュは今年2月の「6次産業化アワード」で農林水産大臣賞を受賞。天皇杯の受賞に当たっては、地域の農業者の所得向上や農業後継者の育成のほか、女性社員が多くを占め女性の活躍推進に貢献していることも評価された。
 今後は新型コロナ禍による消費者ニーズの変化を受け、内食向け商品の開発などに力を入れるという。山口成美社長は「常に農業に軸足を置き、大村産農産物の消費拡大を目指して取り組んできた。今回の受賞が地域農業の発展や若手農家の励みになり、地域活性化の一助となれば」と喜びを語った。

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