感染性胃腸炎の患者が増加傾向にあるとして、神奈川県は6日、県内全域に「ノロウイルス食中毒警戒情報」を発令した。昨年と同週での発令で、県は「食品の取り扱いに万全の予防対策を」と呼び掛けている。
県によると、ノロウイルスによる食中毒の発生は感染性胃腸炎の多発時期と深い関連性がある。県内の小児科221機関で同胃腸炎の患者数が3週連続で増加し、発令基準に達した。発令期間は来年3月末まで。
県は飲食店や食品加工・販売業者に対し、二枚貝の十分な加熱処理徹底のほか、新型コロナウイルスの影響で需要が増えているテークアウトや宅配の食品に関する衛生管理の徹底についても監視指導を強化する。消費者には、十分な手洗いや調理器具の消毒を呼び掛けている。
ノロウイルスを原因とする食中毒は毎年、秋から冬にかけて多く発生し、感染すると下痢や嘔おう吐と、発熱などの症状を起こす。通常2、3日で回復するが、抵抗力の弱い乳幼児や高齢者は重篤な症状になることがあるという。