魅力的な二番手男子役で日本のファンを増やしてきた注目の俳優

「2度目のロマンス」「如懿伝(にょいでん)~紫禁城に散る宿命の王妃~」「白華の姫~失われた記憶と3つの愛~」と、二番手男子役で日本ファンを増やしてきたジン・チャオ。時代劇大作「燕雲台-The Legend of Empress-」でも絶妙な二番手ポジションで魅力を放つ彼に迫ります。

「燕雲台」の舞台は契丹人の王朝・遼。その皇族である耶律賢は前皇帝の遺児です。幼い頃、目の前で両親が暗殺されるのを目撃し、自分は殺されずにすんだものの、現在の皇帝に監視されながら軟禁生活を続ける彼は、病弱な体を抱えて息をひそめるように生きてきました。

このように皇帝の前では身の程をわきまえて忠誠を誓う気弱な青年に見えていた耶律賢でしたが、実はその心には大きな志がありました。父の仇を討って皇位を取り戻し、政治改革によって遼を立派な大国にしたいと考えていたのです。

「燕雲台-The Legend of Empress-」©Shenzhen Tencent Computer Systems Company Limited

そんなある日、耶律賢は重臣の娘・蕭燕燕(しょうえんえん)と出会い、聡明で行動力のある彼女に惹かれていきます。そして、互いの理想や志を語り合ううちに意気投合し、親しくなっていきます。ところが、蕭燕燕にとって耶律賢はあくまで友人。彼女が恋に落ちた相手は彼の親友・韓徳譲(かんとくじょう)だったのです。

でも、耶律賢はひるみませんでした。自分が皇帝になった時に隣にいる皇后としてふさわしいのは、蕭燕燕しかいない──そう信じる彼は、恋心と野心に突き動かされて、皇位を手に入れ蕭燕燕と結婚しようと動き始めます。その裏には、自分は病弱で長生きできないので、国の未来のためには自分の志を継いでくれる皇后が必要だという考えもありました。

そのために親友を裏切ることになっても、国のためになることならやり遂げるべきだという信念で行動していく耶律賢。頑ななまでに理想を貫こうとする彼を待ち受けている運命は……!?

ジン・チャオはこれまで日本リリースされているドラマで、どれも魅力的な二番手男子を演じています。「2度目のロマンス」では悩めるキャリアウーマンを見守る朗らか男子、「如懿伝(にょいでん)~紫禁城に散る宿命の王妃~」では皇帝の寵妃ながら後宮で辛酸を舐めるヒロインを支える侍衛、「白華の姫~失われた記憶と3つの愛~」では公主への恋心と復讐心の間で葛藤する悲劇の将軍と、どの作品でも報われない愛に生きるキャラを熱演して、確かな爪痕を残してきました。

そんな彼が「燕雲台」で演じるのも、強烈な二番手男子。天下一の権力を手に入れてもヒロインにとって一番の男性にはなれない悲劇の皇帝・耶律賢です。しかも、彼は主人公カップルを引き裂いてしまうので、ともすれば視聴者に憎まれてしまう役どころ。でも、決して悪役ではなく、彼には彼なりの信念や葛藤があり、ヒロイン・蕭燕燕とは同志として絆を築いていくことになります。

ジン・チャオといえば、茶目っ気のある個性もチャームポイント。本作でも耶律賢が時折見せるいたずらっぽい微笑みに不意キュンさせられるはず。ほおづえをついている蕭燕燕を見て、隣で彼女のマネをして自分もほおづえをつくなど、彼らしいなんだか癒されるシーンにも注目!


TEXT: 小酒真由子(フリーライター)

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