神奈川県の「こころの電話相談」接続率1.6% 黒岩知事「さらなる充実必要」

神奈川県庁

 心の悩みを抱えた神奈川県民向けに県が開設している相談窓口「こころの電話相談」で、2020年度に電話がつながった割合は1.6%にとどまることが6日、分かった。新型コロナウイルス禍で相談ニーズは高まっているとし、県は改善策を検討する。

 同日の県議会本会議で、公明党の小野寺慎一郎氏が一般質問で指摘。体制の検討や民間窓口の活用などによる改善を求めた。

 これに対し、黒岩祐治知事は「接続率が低く全ての相談に対応できていないことや、若年層は電話での相談に抵抗を感じる方が多いなど課題がある」と説明。無料通信アプリLINE(ライン)を活用した相談窓口を開設したことなどに触れた上で、「さらなる充実が必要で、民間相談機関などと連携して悩みに応じた相談先を紹介するなど、より相談しやすい環境づくりに努めたい」と述べた。

 こころの電話相談は平日午前9時から午後9時まで、福祉の専門職が相談に応じる。11年11月からはフリーダイヤルで運用。県によると、20年度は約41万件の架電に対し、応答できたのは約6500件だった。幅広い悩みや相談を対象にしていることもあり、コロナ前から接続率の低さが課題になっている。

© 株式会社神奈川新聞社