初心者必見!多肉植物カフェ「ひきだしのなかみ」で聞く、上手な冬の過ごし方。

コロナ禍のステイホームをきっかけに、新しい植物が続々と仲間入りした我が家。とくにトラブルもなく順調に育っているのですが、ひとつだけ不安に思うことがあります。

冬場の管理ってどうすればいいんだろう…。

能美市の里山にある筆者の自宅は、冬になると室内でも5度を下回るような環境。そんな中でも無事に越冬することができるのか。いやいや、退屈なリモートワークに癒しを与えてくれた植物たち。一株たりとも凍死させるわけにはいきません!

というわけで今回は、金沢市鞍月にある『ひきだしのなかみ』を訪問。多肉植物を中心とした、冬場の管理のコツを聞いてみました。

ひきだしのなかみ

寄せ植え体験ができる隠れ家カフェ

日替わりのプレートランチが人気の『ひきだしのなかみ』。植物のことなのに、なぜカフェを選んだのかというと、多肉植物の品揃えが充実しているから。店内では多肉植物の寄せ植え体験ができるほか、定期的にワークショップも開催されています。

ハルオチアやユーフォルビアが好きな筆者にとって、まさにぴったりのお店。ずらりと並べられた色とりどりの寄せ植えにテンションが上がります。

多肉植物に囲まれたカフェスペース。ペット同伴可ということで愛犬家たちの憩いの場にもなっている。
お世話がしやすい多肉植物の寄せ植えはインテリアにもおすすめ。
マダムが作る自家製のケーキも美味。トルタ・カプレーゼ450円。

カフェを経営するのは安藤さん。もともとは建築事務所と併設するカフェギャラリーでしたが、5年ほど前から植物も取り扱うように。多肉植物に限定したのは、育てやすく種類も豊富だから。暮らしの中に植物を取り入れるには、管理のしやすさも大切だと安藤さんは言います。

「私自身もまだまだ勉強中」と安藤さん。愛らしいフォルムの多肉植物に日々癒されているとも。
こちらは美大出身の安藤さんが制作するステンドグラス。販売もしている。

さらに「寄せ植えの魅力」を聞いてみるとこんな答えが。

キレイに見せるコツは「色合いと形にメリハリをつけること」。実際に多肉植物をよく見ると同じ緑でも濃淡があって、形も上に伸びているものや下に垂れ下がるものなど多種多彩。そこからどの植物を選んで、どうレイアウトするか。寄せ植えはセンスが問われるという話も納得です。

せっかくなので筆者も寄せ植えを体験。出来上がりを想像しながら植物を配置して、土を被せていく。
お店では寄せ植え用にカラーサンドやフィギュアも取り揃えている。

さて、ここからは冬場の管理の仕方について。安藤さんに3つのポイントを教えてもらいました。

冬場は断水気味に育てること

「マメな人ほどダメにする」とは聞いたことあるけど、あるあるだったんですね。冬場のお世話はほどほどに。水やりの頻度は室温や生育型などによっても変わってきますが、放任主義くらいがちょうどいいのかもしれません。

水やりをする場合は暖かくなる午前中のうちに。土の表面を濡らす程度で十分とのこと(筆者撮影)。

室内の日当たりの良い場所へ

寒いからといって暖房の近くに置くのもNG。なるべく一日を通して温度差のない状態で管理するのが良いそうです。どうしても室内に取り込めない場合は、発泡スチロールなどで簡易的な温室を作ってあげるのもひとつの方法です。

日当たりが悪い場所で管理すると、茎や葉っぱが間延びしたり、病気にかかりやすくなるので要注意(筆者撮影)。

暖かい日は屋外で日光浴

じつは筆者も冬場の日光浴時に、取り込むのを忘れてダメにした経験あり。日に当てるのも大事ですが、寒さに当てることの怖さを学びました。

乾燥に強く、湿気に弱い多肉植物。本来であれば、風通しの良い屋外での管理が好ましい。

見た目が可愛らしくて、ついつい過保護にしがちな多肉植物ですが、とくに冬場は「かまわない」のが大事ということが、今回の取材で分かりました。じっとひたすら雪解けを待つのみ。我が家の植物たちも、春が来るまでステイホームしてもらおうと思います。

ひきだしのなかみ
石川県金沢市鞍月5-227-1
TEL.0762-238-6995
営業時間/11:00~15:00(土日は12:00〜15:30)
定休日/月曜、第2・4土曜、日曜日
席数/テーブル10席
駐車場/6台
※こちらの情報は取材時点のものです。

(取材・文/ヨシヲカダイスケ、撮影/林 賢一郎)

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