【社会人野球】地域や企業の特徴ズラリ…2年ぶりに戻った“美爆音” 応援団長が語る都市対抗の魅力

JR東日本東北の応援団長を務める高橋翔さん【写真:川村虎大】

JR東日本東北の応援団長を務めた高橋翔さん

2年ぶりに東京ドームに“美爆音”が帰ってきた。11月28日に開幕した第92回都市対抗野球大会。声を出しての応援は禁止だが、ブラスバンドの音が響き、チアガールが華麗に舞った。JR東日本東北の応援団長を務める高橋翔さんもこの都市対抗の応援に魅了された1人だ。

昨年は新型コロナウイルスの影響で、応援団の活動は許可されなかった。6日に行われたJR東日本東北とセガサミーの準々決勝でスタンドから指揮をとった高橋さんは「やっぱり良いですね」と感慨深くグラウンドを見る。

ブラスバンドの美爆音に企業、地域の特徴が詰まった独自の応援は都市対抗の魅力の1つ。JR東日本東北も、「Suicaペンギン」だけでなく、宮城県の観光PRキャラクター「むすび丸」が参加し、仙台名物「すずめ踊り」も披露。JRの制服や作業員の服装で、銀河鉄道999など鉄道にちなんだ音楽が鳴り響く。

JR東日本東北の応援団【写真:川村虎大】

例年とは違い準備期間は1か月半、チアガールも無し

普段は仙台支社で観光関係の部署に所属する高橋さんが応援団に入ったのは2014年、東京支社にいた頃だ。2018年から仙台に転勤になると、翌2019年の日本選手権で“団長デビュー”を果たした。

2年ぶりに応援団復活となったが、苦難の連続だった。例年は4か月前ほどから準備するがコロナの影響で今年は1か月半前から。さらには、JR仙台病院の看護師に頼んでいたチアガールの派遣も中止になった。

それでも、「意地でも外注はしたくなかった」とブラスバンドも含め約80人全て社員で構成。仕事の合間を縫って週に2回ほど練習を重ねた。

JR東日本東北は惜しくも準々決勝で敗退となったが、選手にもその思いは届いているはず。「自分も都市対抗を好きになったのはこの応援があるから。新入社員や今年初めて見に来た人がこの応援を見て、好きになってくれたら嬉しいですね」。社風や地域性があり、高校野球とはまた違った全国舞台。これからもスタンドから熱いエールを届け続ける。(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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