慶應義塾大学SFC・田中浩也研究室が竹芝の新施設に新しい庭づくり 「みらい作庭記」

東京都港区で2020年10月にまちびらきした水辺の複合施設「ウォーターズ竹芝」は、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)田中浩也研究室と連携し、研究室の学生たちとともに東京の水辺空間に新しい庭を創る取組み「みらい作庭記 -2021 Winter-」を開始した。第1弾として、子ども向けに制作された不思議なオブジェ(遊具)を設置する。

「みらい作庭記」とは、日本最古の庭園書である「作庭記」を手本に、3Dプリンタで制作した特殊な構造体や遊具を、そこにある自然景観や周辺環境との関係を大切にしながら配置・構成し創り出す新たな庭。最新のデザインスキームと3Dプリンティング技術により生み出された作品で実際に遊ぶことができるほか、現地に来られない人も、ブロックを用いた庭づくりをバーチャル空間内で楽しめる。

芝生上で毎朝並べ直されるオブジェの初期位置は、離散的な石庭の形式から学びつつ、作品相互の見えがかりと、互いの影響範囲からコンピュータで最適計算のうえ決定している。来場客が自身の好みでブロックを動かし、最新のデザインとテクノロジーから作られる「令和の枯山水」にさらなる関係性を創りだしていく楽しみもある。

また、3Dバーチャル空間「マチカド(MachiCAD)」は、田中浩也研究室が独自に開発したシステムに基づく、ブラウザを開くだけで広がる、「参加型で編集が可能なまち」。実際にウォーターズ竹芝に来訪することが難しい人も、このシステムから芝生上にモノを置き、庭を創ることができる。(技術協力:守矢拓海 慶應義塾大学研究員)

今後、竹芝タウンデザイン(JR東日本)と田中浩也研究室では、東京都心に位置する「水辺の複合施設」というウォーターズ竹芝の特性を最大限に活かし、バイオマスプラスチックや生分解性プラスチック等を活用し、さらに脱炭素社会、資源循環社会に貢献していくものづくりを今後も連携して推進していくとともに、SDGsの推進や啓発にも寄与する。

「みらい作庭記 -2021 Winter-」は、ウォーターズ竹芝プラザ(芝生広場)および 3Dバーチャル空間にて2021年12月8日(水) から12月14日(火)の10時から16時まで開催する。入場無料。期間中、12/8(水)・11(土)・12(日)・14(火)の4日間は、18時頃までライトアップを予定している。

参考:【ウォーターズ竹芝】『みらい作庭記-2021Winter-』|慶應義塾大学SFCとコラボレーションしたイベントを実施します

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