【MLB】ヤンキースは「身動きが取れなくなっている」 FA市場での“沈黙”を地元紙酷評

ヤンキースと再契約したジョエリー・ロドリゲス【写真:Getty Images】

地元紙「多くのエリアで重要な補強が必要だ」

今月2日にロックアウトに突入したメジャーリーグ。選手契約も凍結された状態だが、ここまで選手補強に消極的なヤンキースに批判の声が強まっている。地元紙「ニューヨーク・デイリーニュース」は「現在に至るまでちっとも成長していない」との見出しで伝えている。

今季のヤンキースは92勝70敗のア・リーグ東地区2位タイでワイルドカードゲームに進んだが、宿敵・レッドソックスに敗退した。「ニューヨーク・デイリーニュース」は、打者の指標の一つである「wRC+」でヤンキースの遊撃手はメジャー20位の「90」、中堅手は同20位の「89」と低迷していることに言及。捕手も打撃面での貢献度が低いとし、「多くのエリアで重要な補強が必要だ」と指摘している。

同じニューヨークを本拠地にするメッツはこれまでにマックス・シャーザー投手、スターリング・マルテ外野手、エドゥアルド・エスコバー内野手、マーク・カナ外野手を、タイガースはエドゥアルド・ロドリゲス投手やハビアー・バエス内野手を獲得。そして、同じア・リーグ東地区の球団も積極的に補強を進めている。

ブルージェイズはサイ・ヤング賞左腕のロビー・レイ投手を失うも、ホセ・ベリオス投手と契約を延長。FA市場の目玉だったケビン・ガウスマン投手も獲得した補強は「かつてのヤンキースの得意分野」であり「ますます遠い昔になっているヤンキースの過去の栄光は、生え抜きの才能だけでなく、(ブルージェイズが行った)ガウスマンのような大物FA選手に対して投資を行うことに起因する」と述べている。

「自ら招いた牢屋の中で身動きが取れなくなっている」

他にも今季の同地区覇者であるレイズは次世代のスター野手であるワンダー・フランコ内野手と最長12年2億2300万ドル(約253億5000万円)で契約延長し、今季ヤンキースに在籍した元サイ・ヤング賞右腕コーリー・クルーバー投手を獲得した。レッドソックスもブルワーズとの交換トレードでハンター・レンフロー外野手を放出し、ジャッキー・ブラッドリーJr.外野手と有望株数人を獲得。さらにジェームズ・パクストン投手やリッチ・ヒル投手らベテラン左腕を獲得するなど、「ある程度の補強を行った」としている。

一方で、ヤンキースはゲーリー・サンチェス捕手やジオバニー・ウルシェラ内野手ら年俸調停権を持つすべての選手を、サービスタイム6年未満の選手に対して来季の契約を結ばない「ノンテンダー」にしなかった。現時点のロースターで来季開幕を迎えるとなると、遊撃手を本来は三塁のウルシェラが務めることになる。ウルシェラの今季出塁率は400打席以上立った打者の中ではリーグワースト14番目の.301。サンチェスも出塁率.307と低迷している。

今オフのヤンキースのここまでの主な動きはサンチェスらをノンテンダーにしなかったこと、元中日助っ人のジョエリー・ロドリゲス投手と再契約した程度。ロックアウトが実施され、何もできない状況になり「ヤンキースは自ら招いた牢屋の中で身動きが取れなくなっている」と記事は断じている。(Full-Count編集部)

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