豪中貿易摩擦、最大の受益者は米などの盟友国 豪シンクタンク

© 新華社

豪中貿易摩擦、最大の受益者は米などの盟友国 豪シンクタンク

第3回中国国際輸入博覧会で撮影された豪スーパー大手、ウールワースの展示ブース。(2020年11月撮影、上海=新華社配信)

 【新華社シドニー12月7日】オーストラリアのシドニー工科大学(UTS)豪中関係研究所(ACRI)はこのほどリポートを発表し、豪中貿易摩擦の最大の受益者は米国など一部のオーストラリアの盟友国だとの見解を示した。

 リポートによると、今年1~9月の豪州産製品12品目の対中輸出額は2019年同期より126億ドル(1ドル=約113円)減少した。一方、米国産の同類品の対中輸出額は46億ドル、カナダ産は11億ドル、ニュージーランド産は7億8600万ドルそれぞれ増加した。

 豪中間の貿易摩擦をめぐり、これらの盟友国は口では応援しているものの、豪州産製品を大量に購入し、豪州の経済的損失を低減するという行動はとっていない。1~9月の豪州産ワインの対中輸出額は前年同期より4億8千万ドル以上減ったにもかかわらず、対米輸出額はわずか710万ドルにとどまっている。

 ACRIのジェームズ・ローレンセソン所長は新華社の取材に応え、豪州にとって米国など西側諸国は安全保障問題では盟友だが、貿易問題では激しく競り合うライバルだと打ち明けた。そのうえで、「豪州のメーカーが中国市場に参入できない時、米国のメーカーはもともと豪州のものだったシェアを喜んで奪い取ることしかしない。彼らは今まさにそうしている」と述べた。

 同氏はまた、「多くの国が中国経済とのデカップリング(分断)を進めており、豪州は中国との貿易関係の悪化を心配する必要はない」という見方に言及し、この考え方は間違っていると強調した。貿易・投資関連データからは、中国と豪州の戦略パートナーを含む数多くの国との経済融合が一段と進んでいることが分かるという。さらに、「豪州経済にとって中国とのデカップリングのコストは非常に小さい」という考えも成り立たないとした。一部産業が大きな影響を受けている一方で、全体的にみれば豪中間の経済・貿易交流は全く分断されておらず、実際にはいまなお増加しており、このことはデカップリングにはより大きなコストを支払う必要があることを意味しているとの見解を示した。

 対中関係をめぐる豪州国内の議論の中で、政府が耳にするのは往々にして国家の安全に関する声だけであり、経済的利益を代表する声をもっと重視する必要があると指摘。今回発表したリポートは、経済という角度から現状を全面的かつ実態に即して検討したものだと説明した。