ポール・マッカートニー『McCartney III Imagined』から、海洋保全を訴えるチャリティ・ビデオ公開

Photo: Kevin Mazur/Getty Images for The Rock and Roll Hall of Fame

ポール・マッカートニー(Paul McCartney)が、映像作家のジャック・マッコイと再びタッグを組み、海岸環境を守ることの重要性を訴えるチャリティ・ビデオ「Slidin’ (EOB Remix)」を公開した。このビデオの収益は、サーファーによって設立された環境保護団体“Surfrider Foundation Australia”へ寄付される。ポールとジャック・マッコイは、2人が共有する“海への愛”をテーマに、過去何十年にわたって映像作品でコラボレーションしてきた。

「Slidin'」は、ポール・マッカートニーが2020年12月にリリースし、2022年度のグラミー賞にノミネートされている最新アルバム『McCartney III』の収録曲で、サーフィンや海の映像がこの曲にはぴったりだと感じた彼は、ジャック・マッコイに手を貸してもらえないかと相談したという。

<ミュージック・ビデオ:Paul McCartney - Slidin' (EOB Remix)>

ジャック・マッコイはこのビデオの制作についてこう振り返っている。

「この曲を聴いた瞬間、“クレイグ・アンダーソン(*有名サーファー)だ”と思いました。そこでクレイグの友人たちに声をかけて、素晴らしい映像を提供してもらい、この曲のオフィシャル・ビデオを作ったんです。ポールの賛同も得て、クレイグと私はこのビデオ(の収益)を、私たちの海岸を守るために日々闘い、特にニューサウスウェールズ州の海岸線で石油と天然ガスを採掘するための提案書“PEP11”を阻止するために奮闘しているSurfrider Foundationの活動を支援するために寄付することにしました」

その数ヵ月後、ジャック・マッコイは、ポール・マッカートニーが、自ら監修し、アンダーソン・パーク、ベック、ドミニク・ファイク、フィービー・ブリッジャーズ、セイント・ヴィンセント、レディオヘッドのEOBことエド・オブライエンなど、ポールの友人やファン、そして新たな知り合いなど、さまざまながアーティストたちが自らの独特なスタイルで『McCartney III』をカヴァー、リミックス、再構築したアルバム『McCartney III Imagined』をリリースしようとしていることを知った。

ジャック・マッコイはこう続けた。

「レディオヘッドのエド・オブライエンらが制作した‘Slidin'’のパンプアップ・ヴァージョンを聴いて、最初のビデオの締めくくりとして、もう一つサーフィン・ビデオを作るのにぴったりだと思いました」

エド・オブライエンは、このリミックス・ヴァージョンの制作について次のように語っている。

「ポールのためにこのリミックスを作るのはとても楽しかったです。冬は暗く、2度目のロックダウンが迫っていましたが、ポール・エプワースとのこのトラックの制作作業は希望に満ちた時間でした。ステム(トラックを構成する要素)に触れ、ヴォーカルを聴けたこともすごく良かったですし、ドラムも素晴らしかった。すべての楽器をポールが演奏してるんです!彼のオリジナル曲からインスピレーションを得て、‘Helter Skelter’っぽく仕上げたいと思っていました。素晴らしいビデオですし、Surfrider Foundationとコラボレーションできたことも素晴らしいです」

Written By Will Schube

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