橋本祥平・鳥越裕貴☆映画「文豪ストレイドッグス BEAST」で“if”の物語を繰り広げる!

実在の文豪の名を持つキャラクターによる“異能”アクションバトル、シリーズ初の実写映画「文豪ストレイドッグス BEAST」では、主人公・中島敦と宿敵・芥川龍之介が所属する組織が逆だったら…という“if”の物語を繰り広げる。舞台版でも芥川龍之介を演じる橋本祥平と、中島敦を演じる鳥越裕貴は、芝居だけでなく旅バラエティーなどでも共演。今回の取材の写真撮影中にも何かとちょっかいをかけ合い、笑い合う仲の良さだ。そんな2人の関係性をはじめ、映画撮影の裏話や作品への思いなどを聞いた。

――先ほどの写真撮影中の様子からもお二人の仲の良さが伝わってきました。

鳥越 「祥平が、ちょっかいばかりかけてくるんです」

橋本 「いや、逆ですよ! さっきも息を吹きかけてきて…」

鳥越 「僕が耳にふーってすると、祥平は鳥肌が立つんです。こういうことをしょっちゅうやっています(笑)」

橋本 「ちょっとヤバいですよね。息を吹きかけ合ってるって(笑)」

――(笑)。作品では宿敵同士ですが、普段の2人の関係性をひと言で表すとどんな2人ですか?

鳥越 「“鼻が高いのと低いの”かな」

橋本 「だとしたら“鼻”じゃなくて“華”にしましょうよ」

鳥越 「この2人に“華”はないでしょう。じゃあ“子犬”で! じゃれ合ってる感じが子犬っぽいかなと」

――“子犬”なお二人ということですが、お互いに似ているなと思うところはありますか?

鳥越 「危機察知能力は、同じ感覚だと思います。“これ、ヤバいな”と感じるニュアンスはよく合いますね」

橋本 「その瞬間、思っていることが同じだったりして」

鳥越 「今、それ言ったでしょ。人のコメントを奪うな(笑)」

橋本 「確かにそうですね(笑)。あと似ているのは背丈くらいですよね」

鳥越 「雑!(爆笑) 急に放り投げた!」

――逆に、自分とは違って相手のスゴイと思うところは?

橋本 「コミュニケーション能力がスゴイです! 旅番組で一緒に行った先でもいろんな人に話しかけて、すぐ仲良くなるんです。これは僕にはできない。異能力“ふところ入り”ですね」

鳥越 「だとしたら祥平は、異能力“人見知り”。舞台にゲストが1人来ただけで急に人見知りを発揮して、弁当も1人で食べるんですよ。あと、祥平のスゴイところは、一つのことに熱中できること。例えば最初は仕事で始めたドラムも、今では、趣味にできるくらい没頭していて。この間も新幹線の移動中、2人でまったりトークしたいのに、急に1人でドラムの動画を見出すし…。そこはクレームを入れたいです(笑)」

――お二人の関係性がよく分かったところで、本題の映画についてお聞きします。今回はこれまで舞台で演じてきた作品・役柄での映画化ですが、2人の立場が逆転します。舞台版との演じ方の違いや、映画ならではの心構えはありましたか?

橋本 「お互いの組織は入れ替わりますが、これまで舞台などで積み上げてきたキャラクターを変えるのではなく、環境が違うことによって芥川が変わっていくという過程を見せられたらと思いました。舞台だと殺気にあふれている芥川が、武装探偵社の中に居ることによって今までにない表情を見せます。周りに居る人が違うとこんなにも変わるんだと、僕自身にとっても発見でした」

鳥越 「敦は舞台では武装探偵社に居たのでツッコミに回ることが多くて、リアクションも一番とれるので『新喜劇か!』みたいなこともやっていましたが、今回はとにかく削ぎ落としました。でも敦の爆発の熱量と、素直さや真っすぐさは変わっていません。舞台キャストがそのまま出演する映画で、祥平との関係性ができていたからこそパワフルなアクションシーンができました。僕、恋愛が枯れてしまっている部分があるので、『会いたくて会いたくて震える』っていうのが分からなかったんです。でも今は、早く映画館で見たくて、臨場感を味わいたくて、会いたくて震えています。この作品に恋してます」

――原作者・朝霧カフカさんが書かれた脚本を読んだ印象は?

橋本 「朝霧先生らしい美しい言葉が散りばめられていて、一回だけじゃ全てを読み解くのが難しいのですが、読めば読むほど発見があるのがすごいところだと思いました」

鳥越 「今回もそうですが、舞台初演の時から現場にも来ていろいろ教えてくださったり、その場で脚本を変えて撮影をしやすくしてくださるんです。“文スト”シリーズの全てを生み出す“神”でありながら親近感もあるので、僕らにとって“パパ”のような存在です」

――激しいアクションシーンもあり、今回は立場も逆になるということで、お二人で相談されたりしましたか?

鳥越 「芝居に関してはあまり話してないですが、アクションは舞台とは違ってホントに殴るので、お互い“もっといかなあかん”と映像の難しさを感じましたね。自分たちのアイデアもかなり取り入れていただきました。あと、これだけは言っておきたい! “ここスタントでしょ?”って思われるようなところも、かなり自分たちでやっています!」

橋本 「その場で動きの芝居をつけてもらうのですが、OKが出たらそのアクションの記憶をすぐ消して、新しいものを取り入れて…の繰り返しだったので、プチパニックを起こしてました」

鳥越 「でも徐々に慣れてきて、異能力ばりに切り替えできるようになりましたね」

――個人的に好きなシーンはありますか?

鳥越 「喫茶『うずまき』での敦と芥川2人のシーンですね。“if”だからこそ2人が笑い合う…。もう二度とないでしょうし、印象深かったです」

橋本 「僕は洋食店『フリーダム』で織田さん(谷口賢志)とカウンターに並んで食べたカレーのシーンです。これは“if”だからこそで、本編では絶対できない! 演じていて橋本祥平としても震えるものがありました。混ぜカレーの真ん中に卵がトッピングされていて、シンプルでおいしかったです。あと、“僕は子どもがあまり得意じゃないかもしれない”と思っていたのですが、『フリーダム』の女の子がすごく懐いてくれて」

鳥越 「気のせい、気のせい。もう忘れてるでしょ(笑)」

橋本 「一緒に『せっせっせーのよいよいよい』をやったりして楽しかったんですよ。でも、同じことを堀之内仁にもやっていて…この子は大物になるぞと(笑)」

――今回の映画を通して、改めて感じた「文豪ストレイドッグス」の魅力とは?

鳥越 「多くの個性的なキャラクターがいて各々の葛藤があるので、誰にとっても共感する部分があると思います。舞台の時も、スタッフさんもみんなが“文スト”の漫画を読み込んだりゲームをやったりしているんです。キャストもスタッフも、みんながこの作品を愛している。それだけの魅力があるし、人を動かす力がある作品だと感じます。漫画、小説、アニメ、舞台、ゲーム、今回の実写映画版、この作品はどこからでも入れますし、どこから入ってもきっと楽しめると思います。そしてこの“文スト”の世界を知ると、自ずと“沼”にハマるし、途中で抜けられないと思います」

橋本 「映画だと実際に芥川の羅生門の異能力を飛ばしたり、夜叉白雪(泉鏡花の異能力)もCGでリアルに表現されています。映像ならではの迫力のあるアクションシーンや、画面アップの出演でより表情や心情が伝わると思います。ぜひ見て欲しいです」

――最後に、「文豪ストレイドッグス」は、ご自身にとってどんな作品ですか?

橋本 「僕は、芥川と一緒に“演劇”を渡ってきている気がします。出会った頃は、お芝居が難しく行き詰まっていたところがあったのですが、その殻をやぶってくれたのが芥川役。これからもずっと一緒に歩んでいきたい作品です」

鳥越 「これだけの年数同じ役を演じられることはなかなかないので、一緒に寄り添って、役も自分もお互い成長できているのかなと思っています。この作品は、カンパニーももちろんですが、見守ってくださるお客さんとの一体感があって。みんなで一緒に育てている作品だなと思います」

【作品情報】

映画「文豪ストレイドッグス BEAST」
MOVIE
22年1月7日より公開

異能者ひしめく混沌都市、ヨコハマ。貧民街の路地をねぐらに生きた孤児・芥川龍之介(橋本)は「武装探偵社」で働きはじめる。そこへあらわれた、組織に敵対する者を無慈悲に殺す「ポートマフィアの白い死神」中島敦(鳥越)。運命の別れ道で差し出された手にほんろうされた2人の少年の行く末は…。

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取材・文/国川恭子 撮影/Marco Perboni ヘア&メーク=小田切亜衣(e-mu)[橋本]、仲田須加[鳥越]

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