巨人・中田翔「いいよ質問1つ」 1.9億円減俸後に記者イジリ、レベチ復活の予感あり

巨人・中田翔【写真:荒川祐史】

来季目標は史上2人目の両リーグ打点王「こだわってやっていきたい」

巨人の中田翔内野手は7日、都内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、1億9000万円ダウンとなる年俸1億5000万円でサインした。打率.177、7本塁打、20打点に終わり、減額制限(1億円以上は40%)超えとなる56%ダウン。「かなり落ちました。今年は結果を残せていないので仕方ないこと。一から頑張りたい気持ちになりました」と語った。大減俸後のオンライン会見では、来季のレベチ復活を予感させるシーンがあった。(金額は推定)

取材者として接するのは2年ぶり。そんな中田がイタズラっぽい笑みを浮かべて話しかけてきた。「小谷さ~ん、いいよ質問1つ」。質問は3つさせてもらったが、こんな記者イジリ。日本ハムで不動の4番だった男が戻ってきた気がした。

日本ハムに在籍していた8月にチームメートへの暴力行為があったとして出場停止処分。無償トレードで巨人へやってきた。豪快な風貌に反して心は繊細だ。「いろんな方、ファンの皆さんには心配、迷惑をかけてしまった」。テレビ越しではあったが、「大将」と呼ばれた大男はかなり気を遣っているように見えた。

ストイックな筋トレで鍛え上げた肉体がパワーの源だ。だが、今季は腰痛もあってトレーニングを積めなかったようだ。「12、13キロほど落ちてしまった。とりあえず今は筋量を増やして体重を戻すことに精一杯」。3度目の打点王に輝いた昨季はベスト体重110キロ。現在は103キロほどに戻ってきたが、急激な体重減は精神的なストレスだってゼロではなかっただろう。

気前の良いコメントが次々と「もう1度、打点王に返り咲きたい」

ところがどうだ。この日のオンライン会見。「自分本来のスイングを取り戻すだけ」「もう1度、打点王に返り咲きたい。そこにこだわっていきたい」「本塁打はそこそこ打たないと100打点にいかない。やっぱりキャリアハイ(31本塁打)は打ちたい」。復調へ手応えもあるのだろう。マスコミ受けする気前の良いコメントが次々と出てきた。個人的には来季復活のポイントと感じたコメントもあった。

「いい意味で荒々しく。今年は自分を出せないまま終わってしまった。もちろんプレースタイルもそうですし、もっともっと自分らしさ。スイング1つしてもそうですよね。ちょっと萎縮してしまっている自分がいた。来年は全てを解放して、また一から頑張りたいなと思います」

「悔しかったら悔しがっていい。嬉しかったら全面に喜びを表現してもいいと思います。今まではそうだったので。そういう意味で自分らしさ。周りに萎縮せず、余計なことを考えずに自分らしくやっていきたい」

仮に両リーグ打点王に輝けば、あの落合博満(ロッテ3度、中日2度)以来の史上2人目となる。心身ともに万全なら、そんな大偉業もやってのける気がしている。(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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