47NEWS「村上春樹を読む」が本になりました! 4月にBook2刊行、春陽堂書店から

村上春樹クロニクルBOOK1とBOOK2

 2011年から10年間、共同通信社と全国の地方紙(新聞社)でつくるウエブサイト「47NEWS」や、それぞれの地方紙サイトに連載された小山鉄郎共同通信編集委員の文芸コラム「村上春樹を読む」が、春陽堂書店から「村上春樹クロニクル」と題して刊行されました。

 2016年3月までのコラムをまとめた「BOOK1」は、2022年1月5日に、それ以降を収めた「BOOK2」は22年4月27日に、それぞれ発売されました。いずれも2640円です。

春陽堂HP https://shunyodo.co.jp/shopdetail/000000000793/

 文芸記者として文学の現場を長年取材してきた小山編集委員は、村上春樹さんの作品に初期から注目。作家本人に、インタビューを10回も重ねながら、創作の深層に迫る精密な読みを展開してきました。村上文学の解読などで文芸ジャーナリズムの可能性を広げたとして、2013年度の日本記者クラブ賞を文芸記者として初めて受賞しています。村上作品の重要なテーマだと小山編集委員が考える、「戦争」や「歴史」については、この本の中で特に詳しく解説しています。

 基になった連載は、東日本大震災の直後の2011年5月に始まり、毎月1回、合計114回に及びました。新作発表、対談・講演会・ラジオ出演などでの発言、文学賞受賞といったその時々の事柄を取り上げて、村上さんの10年の歩みと併走しています。過去の作品を新たに読み直し、対比することによって、村上文学の全体像を浮き彫りしたといえるでしょう。(共同通信=松本泰樹)

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