ウインターカップ高校バスケ 23日開幕 男子・西海学園 女子・鎮西学院 全国に臨む

攻撃の連係に磨きをかける男子の西海学園=佐世保市、小佐々スポーツセンター(写真右) 冬の全国初勝利を目指して基礎基本を徹底してきた女子の鎮西学院=諫早市、鎮西学院高体育館

 バスケットボールの第74回全国高校選手権(ウインターカップ)は23~29日、東京体育館などで行われる。夏のインターハイと並ぶ高校ビッグタイトルの一つで、3年生にとっては集大成の舞台。男女とも各都道府県代表(東京3、神奈川2枠)50校に、ブロック代表10校を加えた60校が熱戦を繰り広げる。
 長崎県勢は女子の鎮西学院が初、男子の西海学園が10年ぶり3度目の出場。そろって夏のインターハイで1勝しており、今回は冬の全国初勝利はもちろん、夏を超える「2勝以上」を目指して本番に臨む。

◎男子・西海学園 最低でも2回勝つ

 1対1や速攻を積極的に仕掛ける攻撃的なスタイルがチームの伝統。就任37年目の鍛治監督は「今年は高さもある」と県内無敗だった今季の特長を挙げる。
 そのインサイドの柱となるのが、身長185センチのフォワード小田代、191センチのセンターのジャンバルボ。長崎西との県予選決勝は、第4クオーター終盤に2人がゴール下の強さを発揮して92-87で競り勝った。夏のインターハイの初戦も、196センチの外国人留学生センターに力負けせず、機動力で上回った。
 競った展開で手詰まりにならないのも持ち味。主将の南川を筆頭に、堅実なプレーの廣川、シュート力がある宗像らガード陣が「パスでつないでチャンスをつくる」を常に意識している。得点源のフォワード德永は速攻で先頭を走り、緩急自在なステップからシュートを狙う。全体的にサイズがない分、ルーズボールへの速い仕掛け、切れ目のない攻撃を徹底して勝負する。
 初戦の相手は2メートル近い外国人留学生を2人擁する呉港(広島)。南川は「しっかり声を出して、みんなでボックスアウトを徹底する。最低でも2回勝って16強入りしたい」と燃えている。3回戦に進めば、夏の2回戦で敗れた前回王者の仙台大明成(宮城)との再戦となる可能性もある。

◎女子・鎮西学院 基礎の徹底で成長

 就任8年目の内野監督の下、基礎基本を徹底しながら力をつけてきた。今季は、1月の県新人大会で初の県タイトルをつかむと、6月の県高総体も決勝リーグ3戦全勝で初優勝。インターハイ初戦も白鷗大足利(栃木)に1点差で競り勝ち、全国初勝利を手にした。
 続く岐阜女との2回戦は力負けしたが、収穫も多かった。主将のガード原が「ルーズボールやパスなど細かなプレーの精度が高かった」と振り返るように、4強入りした強豪の力を肌で知ったチームは、その後の練習により高い意識を持って臨んだ。結果、今回の県予選決勝は長崎西を大差で振り切った。
 司令塔の原、外角シュートが得意な石橋ら、アウトサイド陣が攻撃を組み立てる。フォワード髙見は連係プレーから好機を演出。身長175センチのセンター城は走力があり、攻守で粘り強い。2番手ガードの馬場、身体能力が高いフォワード後田ら、2年生の活躍にも期待がかかる。
 初戦の市前橋(群馬)は攻撃力が高い平面的なチーム。内野監督は「うちにエースはいないから、いかにフリーな状態からシュートを狙えるか」、原は「チームの良さを出しながら、勝負どころでしっかり得点を狙う」と、まずは初戦突破に照準を合わせている。


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