米野球専門誌が選ぶ年間最優秀監督 アストロズ・ベイカー監督が選出

日本時間12月8日、アメリカの野球専門誌「ベースボール・アメリカ」は2021年シーズンの年間最優秀監督にアストロズのダスティ・ベイカー監督を選出した。アストロズからの選出は1998年のラリー・ダーカー、2017年のAJ・ヒンチ(現タイガース監督)に続いて3人目。ベイカーはジャイアンツ時代の2000年にも受賞している。全米野球記者協会による最優秀監督賞の投票では3位に終わったが、史上初となる5球団での地区優勝、史上9人目となる両リーグでのリーグ優勝などが高く評価された。

今季のアストロズは、エース右腕のジャスティン・バーランダーがトミー・ジョン手術後のリハビリのためにシーズンを全休し、正三塁手のアレックス・ブレグマンが左大腿四頭筋痛で59試合の戦線離脱を強いられるなど、投打の主力選手を欠いた状態での戦いとなった。しかし、ベイカーはメジャー経験の少ない若手も含め、与えられた戦力をフル活用し、レイズに次いでリーグ2位となる勝率をマーク。ポストシーズンも順調に勝ち進み、ワールドシリーズでブレーブスに敗れたものの、チームを2年ぶり(直近5年間で3度目)のリーグ優勝に導いた。

ベイカーはサイン盗み問題に揺れるアストロズの監督に就任し、2年連続でポストシーズン進出を達成。2年契約は今季限りで終了したが、ジム・クレイン・オーナーはベイカーの手腕に高い評価を与えており、ベイカーはすでに1年契約を結んで来季もチームの指揮を執ることが決定している。

ベイカーはジャイアンツ時代の1993年、1997年、2000年にナ・リーグの最優秀監督賞を受賞。歴代12位となる通算1987勝をマークしており、ベイカーより勝利数が多い監督でアメリカ野球殿堂入りを果たしていないのは、まだ殿堂入りの資格がないブルース・ボウチーだけである。2022年シーズン中に通算勝利数でボウチー(2003勝)、レオ・ドローチャー(2008勝)、ウォルター・オルストン(2040勝)を抜くのはほぼ確実。ワールドシリーズ制覇の経験はないものの、将来の殿堂入りは当確と言えそうだ。

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