鈴木誠也の争奪戦にヤンキースも参戦か 両者を「結びつけた」背景を地元紙が解説

広島・鈴木誠也【写真:荒川祐史】

5月に手術した中堅手ヒックスはウインターリーグで打撃が振るわないという

ロックアウトに突入しているメジャーリーグ。移籍市場も凍結された状態だが、広島からポスティングシステムを利用してメジャー移籍を目指す鈴木誠也外野手獲得に向けてヤンキースが動いていると米紙「ニューヨーク・ポスト」が伝えた。背景には、今年5月に左手首の手術を受けたアーロン・ヒックス外野手の完全復活が不透明なことがあるようだ。

5月に手術を受けたヒックスはその後、試合に出場することなくシーズンを終え、現在はドミニカ共和国のウインターリーグに参加。ブライアン・キャッシュマンGMは11月に「プレー勘を取り戻してくれることを願っている」と語っていたが、6日(日本時間7日)の時点で9試合出場、打率.206、1本塁打9打点と打撃で結果を残せていないようだ。

記事は「故障歴と32歳の年齢を考慮すると、彼がセンターのポジションを一貫して守るには懸念が付きまとい続けるだろう」と指摘。中堅手の補強は今オフの課題であるとGMは認めており、こうした状況が「ヤンキースとセイヤ・スズキを結び付けた」と解説する。

地元メディア「ボストン・スポーツ・ジャーナル」によると、ヤンキースはレッドソックスとブルージェイズとともに鈴木誠獲得へ「最も活発に動いている」球団の一つだという。ただ「ポスト」紙は、中堅手としての経験が少ないことを考えると「スズキがヤンキース、ブルージェイズにフィットするかについては疑問が残る」とし、「ジャッジが右翼、ギャロが左翼、そして時折両翼のどちらかを守れることをスタントンも示している。そういった状況で、ヒックスがプレーし続けられる状況になった場合、別のレギュラー外野手を据える余地はないであろう」と述べている。

また、鈴木誠の今季のプレーを見たア・リーグスカウトは「彼の打撃力はメジャーでも通用するだろう。30本塁打や多く出塁できるかは分からないが、彼は生産性のある選手で、これからキャリアのピークを迎えることになるはずだ」と話したものの、レギュラーの中堅手になれるかどうかは確信がないようだ。「万能性は既に披露しているが、ヤンキー・スタジアムでそのポジション(中堅手)についてこれから学んでいく選手を欲しいとは思わないだろう」とも述べたという。

それでも「ジャッジを時折中堅手として起用することに躊躇はないということを、ヤンキースは知らしめていた。そのため、彼らは外野手(のポジション)を動かすアイデアに反対はしていない」とも記事は説明する。ア・リーグ東地区の球団を中心に展開している様相の“鈴木誠也争奪戦”はどういう形で決着するだろうか。(Full-Count編集部)

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