のどにパン詰まらせ患者死亡 鹿児島市立病院で医療事故 遺族に2000万円賠償へ

鹿児島市立病院

 鹿児島市立病院で2017年3月、入院していた男性患者=当時(91)=が朝食のパンをのどに詰まらせ窒息し、同年12月に死亡していたことが分かった。病院側は医療事故と認め、市は賠償金約2000万円を遺族に支払い和解する方針。

 病院によると、男性は17年3月にインフルエンザ肺炎で入院。飲み込む機能が低下し食事の介助が必要だったが、配膳の看護師は男性が寝ていたため、食事を置いて部屋を離れた。男性は看護師がいない間にパンを食べてのどに詰まらせて、意識が戻らずに死亡した。

 病院側は当初から医療事故と認め遺族と協議。開会中の市議会12月定例会に賠償金を盛り込んだ補正予算案を提案した。補正予算議決後に合意書を結ぶ。

 病院は「大変重く受け止めており、二度と起こさないよう対策を徹底する」としている。この事故を受け、食事介助のリスク管理と認知症ケアの委員会を設置した。

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