再送-インタビュー:中国で賃金上昇も影響限定、原材料高は一部価格転嫁へ=安川電機社長

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(この記事は8日午後9時30分に配信しました)

[東京 8日 ロイター] - 安川電機の小笠原浩社長は8日、生産拠点を置く中国で人件費が上昇しているものの、業績への影響は限定的との見方を示した。上昇する原材料価格は、増えたコストの一部を販売価格に転嫁することで利益を確保できるとした。ロイターとのインタビューで語った。

中国では格差解消を掲げる共産党政権が「共同富裕」政策を進め、労働者の賃金を引き上げる動きが急速に広がりつつある。安川は中国でインバーターやロボットの生産拠点を複数保有しており、日本貿易振興機構(JETRO)によると、このうちインバーターを製造する上海市は今年7月、法定最低賃金を2年3カ月ぶりに引き上げた。

小笠原社長は、中国で生産する製品の大半が同国国内向けだとし、「中国ビジネスは国内で完結したオペレーションを行っている」と説明。「日系企業のみ(賃金が)上昇しているなら大変だが、国全体で上がる分にはあまり(競争力に)関係ない」と語った。

原材料価格の上昇に対しては、価格転嫁で利益を確保できる意向を示した。上昇したコスト分すべてを転嫁することは不可能でも「(仮に)10%の原材料高に対して2%価格を上げれば、多少は補える。利益率は低下するが、利益の絶対額は大きく変えないという上げ方はできる」とした。

新たな変異株が出現した新型コロナウイルスの感染再拡大の恐れについては、引き続き不透明要因が多いと警戒感を示しつつ「コロナ禍の長期化で今まで見過ごされていた社内の課題が浮き彫りになった面もある。DX(デジタルトランスフォーメーション)促進のきっかけとなり、改善が進んだ」効果もあったという。

同社の決算期は2月と製造業の中でも早いため、発表した翌日の株価が日本株全体の見通しを占う「試金石」として位置付けられることが多い。小笠原社長は「好決算を発表しても株価は下がる。株価に一喜一憂していたら経営はできない」と戸惑いながらも、「社内の緊張感が高まるので、悪くはない。評価されているともっと頑張らないと、となる」と意気込みを見せた。