開戦80年 反戦反核誓う 長崎で被爆者、高校生ら集い

「核廃絶人類不戦の碑」前で反戦反核への思いを発表する高校生(中央3人)ら=長崎市

 太平洋戦争開戦から80年の節目を迎えた8日、長崎市平野町の「核廃絶人類不戦の碑」前で、原爆や戦争の犠牲者らに反戦反核を誓う「ナガサキ不戦の集い」があった。
 被爆証言を記録する市民団体「長崎の証言の会」などが8月15日の終戦記念日と12月8日に開催し79回目。被爆者や高校生ら約30人が参加した。
 長崎原爆被災者協議会の田中重光会長(81)は開会あいさつで、憲法9条改正や「敵基地攻撃能力」保有に前向きな政府の姿勢に危機感を示し、「日本が過去に犯した過ちを忘れずに教訓を受け継ぐ。若者にとって光がある社会にすることを誓う」と述べた。
 黙とう後、碑に平和を願うキャンドルを供え、犠牲者を追悼。同市の被爆者、田崎昇さん(77)は「戦争がなければ核兵器も使われなかった。被爆地から反戦反核の思いを世界に広めて理解してもらい、多くの賛同を得ていこう」と呼び掛けた。
 活水高1年で平和学習部に所属する堀麻里菜さん(16)は「長崎原爆の8月9日と違い、開戦した12月8日はあまり意識したことがなかった。集いに参加して教訓を受け継ぐ必要を感じた。部の活動で被爆者の話を聴くので、日本や世界に語り継ぎたい」と語った。


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