FRJ第5大会鈴鹿で、国内フォーミュラ初となる天然繊維コンポジット素材ボディカウル実装車が実戦投入

 フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ(FRJ)は12月9日、カーボンニュートラルの実現に向けた新たなる挑戦として、12月11日〜12日に鈴鹿サーキットで開催される第12戦/第13戦に、従来のCFRPと置き換可能な天然繊維コンポジット素材を用いて成形されたボディカウル実装マシンを、国内フォーミュラレースとしては初めて実戦投入し、その可能性を検証すると発表した。

 天然繊維コンポジット素材を用いて成形されたボディカウルが実装されるのは、高橋知己の駆る9号車『アネスト岩田Dome F111/3』となる。原料となる天然繊維の織物はスイスのBcomp社が開発し、欧州では既に数多くの実績がある『ampliTex』が採用された。

 この『ampliTex』を原料に、童夢F111/3のコンストラクターである童夢が、日本国内で熱硬化性樹脂を含浸させ、従来からある炭素繊維の製品成形法のひとつであるオートクレーブ成形に適したプリプレグ『ディーナップ(DNAP)』を開発しボディカウルを製作。実戦投入可能な車両を仕上げたという。

『ampliTex』を原料とするボディカウルの採用で『CFRPと同等の剛性感を維持し、かつ、材料の比重が軽いという特徴を活かしてさらなる軽量化も可能』、『振動減衰性はCFRP品より優れている』、『クラッシュ時の破片飛散を防げる』、『生産から廃棄までのライフサイクル全体の中で地球環境への負荷が殆どない』、といったメリットがあるとのことだ。

 FRJは「FRJ車両である童夢F111/3には、従来からダンパーカバーにBcomp社製バイオコンポジット素材が採用されていますが、ボディカウル全体を置き換えることで、シリーズとしてのカーボンニュートラル実現に向け、新たなステージに踏み出すことを目指します」

「FRJは、今回の実戦走行の結果をもとに更なる検証を進めた上で、上位カテゴリーとも情報を共有し、国内モータースポーツ全体で推進できる環境活動を模索いたします」としている。

 FRJの新たな試みの舞台となる第12戦/第13戦は12月11日〜12日に鈴鹿サーキットにて、2021年シーズン最終ラウンドとして開催される。

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