かつてはセダンが主流だったのに……トヨタ アルファードがVIPに人気のワケ

昭和や平成の時代はセダンがスタンダードなボディタイプで、VIPや著名人などテレビの報道などでもトヨタ センチュリーや日産 プレジデントといった大型セダンに乗ったVIPを目にする機会が多かった。しかし、最近では芸能人や企業のトップ、政治家などが揃いも揃ってトヨタ アルファードに乗っている。なぜファミリーで乗ることが前提だったはずのミニバンが選ばれるようになったのだろうか。

トヨタ アルファード ハイブリッド エグゼクティブ ラウンジ[E-Four(4WD)/7人乗り]

レクサス LSと比べても比較にならない圧倒的な室内空間の広さが魅力

まず挙げられるのは室内の広さだ。

アルファードの室内長×室内幅×室内高は、3210mm×1590mm×1400mm。グレード・モデルごとにボディサイズは異なるものの、室内サイズはエンジン車とハイブリッド車で違いはない。また、乗降性に影響するステップ高は350mmと低く、乗り降りもスムースに行えるのが特徴だ。

レクサスのフラッグシップセダンLSの室内空間は室内長2050〜2120mm×室内幅1615mm×室内高1160〜1165mmであることからも、アルファードの圧倒的な広さがうかがい知れる。

シートの使い勝手の高さもVIPから支持を集める要因のひとつ

また、アルファードには7人乗りと8人乗りが用意される。8人乗りでは2列目シートがベンチシートのみとなってしまうが、それでも4〜5人乗りのセダンに比べて多くの人を乗せることができるのは、忙しいVIPやその周囲の人たちにとってもありがたいはずだ。

多人数乗車が可能なことも嬉しいポイント

さらにアルファードの2列目シートには4種類設定されるが、上級グレードに用意されるエグゼクティブラウンジシートやエグゼクティブパワーシートならそれぞれのシートが独立していて適度な距離感を保つことができる。これもさまざまな人を乗せて商談や打ち合わせなどを行うVIPから支持される要因だ。

独立したシートはプライベートスペースが保たれる

高級セダンと比べてもインパクト大! サイズ以上に大きく見えるエクステリアも好評

ほかにも、大型セダンと比較しても見劣りしない派手なデザインが人気だという。アルファードのボディサイズは全長 4945〜4950mm×全幅 1850mmx全高1935〜1950mmとミニバンの中でも大型な部類だが、特に現行モデルとなってからはイカツイフロントマスクも相まって存在感がある。

遠くからでも存在感のあるエクステリア

これによってメルセデス・ベンツ Sクラスやセンチュリー、LSなどの高級4ドアセダンと比較しても見劣りせず、ボディサイズ以上に大きく見えるのだ。体裁も重要なVIPたちから信頼され、心強い相棒となっていることも選ばれる要因なのだろう。

国産高級セダンの代表格とも言えるLSにも引けを取らない

もちろん一般ユーザーからも支持されている

VIPがこぞってアルファードに乗っている様子がテレビなどで映し出されることで、ひとつの宣伝効果となっているのかもしれない。

確かに高級ミニバンに属するアルファードだが、現行モデルの価格(税込)は386万4000円から759万9000円で、残価設定ローンなどで購入すれば月々の負担はそれほど大きくないことから、一般ユーザーにも人気のモデルとなっている。

日本自動車販売協会連合会が発表した2021年上半期の新車登録台数ランキングではミニバンで最も高い4位にランクインするほどの実力だ。下半期は昨今の新車情勢に加えて発表間近ということもあり販売台数自体は下がってきているが、注目度の高いモデルであることは間違いない。次期型の発表が待ち遠しいモデルだ。

【筆者:篠田 英里夏(MOTA編集部)】

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