香港メディアの大物に再び有罪判決 天安門事件の追悼集会参加で

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香港の裁判所は9日、中国政府に批判的なメディア界の大物、黎智英(ジミー・ライ)氏などに対し、天安門事件の追悼集会に参加していたとして有罪判決を言い渡した。

黎氏は、民主活動家の何桂藍(グウィネス・ホー)氏、追悼集会の主催者だった鄒幸彤(チョウ・ハントゥン)氏と共に、無許可集会の扇動・参加の罪で有罪となった。

香港では有志の団体が毎年ヴィクトリア公園で、天安門事件の追悼集会を行っていた。1989年に北京で起きた同事件では、中国の民主化運動が軍によって鎮圧され、多数の死者が出た。

昨年と今年も、当局が禁止している中で集会が行われ、数千人が集結。この件では、20人以上の政治家や活動家が起訴されている。

黎氏と何氏、鄒氏は起訴事実を認めなかったため、判決を受けるのが最後になった。裁判で3人は、追悼の日に個人的にろうそくをともしただけで、他の人を無許可行進に参加するよう「駆り立てる」ようなことはしなかったと主張した。

しかし、裁判官はこの主張を「率直に言って筋が通らない」として取り合わず、集会参加は「警察に対する反抗と抗議に当たる」と述べた。

量刑は12月13日に言い渡される。無許可集会への参加は、最長で禁錮5年。

黎氏は、香港のタブロイド紙・蘋果日報(アップルデイリー)の創業者。香港メディアに中国政府への恐怖感が広がる中で紙面や著作物を通し、中国指導部を公に批判し続けてきた。アップルデイリーは今年6月、当局によって廃刊に追い込まれている。

黎氏はすでに、2019年の他の集会への参加や、反政府的な動きを取り締まる香港国家安全維持法(国安法)違反罪などで、合わせて禁錮2年4カ月の実刑判決を言い渡されており、服役中。

何氏はジャーナリストから野党の政治家に転身して活動していた。鄒氏は元弁護士で、天安門事件の追悼集会を主催していた香港市民支援愛国民主運動連合会(香港支連会)の副主席だった。

何氏と鄒氏も、国安法違反などの罪で逮捕・起訴されており、保釈を認められていない。

天安門事件の追悼集会とは

香港では毎年6月4日、中国政府の民主活動家に対する弾圧の犠牲者を追悼する行事が開かれてきた。

香港は中国領土内でも数少ない、天安門事件の追悼行事が行える場所だった。だが香港当局は2020年から2年連続で、集会を禁止している。

当局は新型コロナウイルスのパンデミックを理由に挙げている。しかし活動家らは、2019年の民主化デモ以降続いている、当局による反体制派への取り締まりの一環だとみている。

(英語記事 Hong Kong tycoon found guilty for Tiananmen vigil