【真鶴町長選】名簿不正使用で辞職の前町長、出直し正式表明 「辞職後に激励」「選挙はがきは出さない」

松本 一彦氏

 神奈川県真鶴町の選挙人名簿抄本を不正にコピーし、町長選に使用するなどしていたとして松本一彦前町長(55)が辞職したことに伴う真鶴町長選(14日告示、19日投開票)に、松本氏が9日、無所属で出直し出馬する意向を表明した。同町長選への出馬表明は5人目。

 松本氏は会見で、「辞職後に町民から激励の手紙や電話をいただいた。その期待に応えたい」と説明。自身の不正行為には「軽くはないと考えているが、今後どのような調査などが行われるのかは分かりかねる。誠実に対応したい」と述べるにとどめ、「出馬することで(問題に対する)町民の意見をうかがい、判断を委ねたい」とした。

 選挙活動に関しては「名簿から得た情報は一切使わず、選挙はがきは出さずに挑みたい」とした。

 町立中学校の完全給食の実現や、空き家対策などの政策を訴えた。

 松本氏は同町出身で、国士舘大卒。1988年に町役場に入庁し、総務課長などを歴任。昨年9月の町長選で現職を破って初当選したが、今年10月に不正コピー流出問題が明らかになり、11月4日付で辞職した。

 同町長選には元町長の宇賀一章氏(69)と元町議の森敦彦氏(70)、新人の北沢晃男氏(51)、元会社役員の大塚伸二氏(65)がいずれも無所属で出馬を表明している。

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