神奈川県・市町村へのサイバー攻撃、1日20件 被害なし「直接侵入のリスクは小さい」

神奈川県庁

 神奈川県は9日の県議会総務政策常任委員会で、県と県内市町村が利用する情報セキュリティークラウドに対し、1日約20件のサイバー攻撃があると明らかにした。攻撃はクラウドが稼働を始めた2017年3月から今年10月末までの累計で3万3185件あったが、被害はないとしている。

 このほか、県への迷惑メールは同期間の累計で483万4921件あった。全て不審なメールとして隔離し、被害はないという。

 自民党の武田翔氏の質問に、県側が答弁した。武田氏はサイバー攻撃を受けて患者約8万5千人分の電子カルテが閲覧できなくなった徳島県つるぎ町の町立半田病院の例を踏まえ、県の情報セキュリティー対策を確認した。

 県によると、身代金要求型ウイルス「ランサムウエア」などへの対策として、庁内のネットワークはインターネットと分離。クラウドを介した仮想環境によるネット接続などの対策を講じているとし、担当者は「徳島県の病院と同様の攻撃を受けても、庁内に直接侵入されるリスクは極めて小さい」と説明した。

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