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京都の街中を流れる鴨川の流れが止まっている―。河川敷を歩いていると、見たことのない光景が飛び込んできた。40メートルほどの川幅に並べられた土のうでせき止められ、川底があらわになっている。絶え間なく流れているはずのあの鴨川が一体…。何が行われているのだろう。
京都市の北大路通にかかる北大路橋から100メートルほどの下流。ブルーシートがかけられた大型の土のうで鴨川の流れは止まり、東側に水を逃す細い水路が設けられている。工事の内容を記した看板に記載されていた京都府土木事務所に聞いた。「5月20、21日の豪雨被害で崩れた護岸を修復する工事をしています」。担当者の説明によると、豪雨により川底が大きく削られ、西側の石積み護岸が高さ約2~2.5メートル、18メートルにわたり崩れてしまった。
普段、鴨川の水流はそう多くないが、近年、豪雨で河川敷まで水が迫ることは度々ある。平安時代は度重なる洪水で京の人々を悩ませた「暴れ川」だったという歴史も持つ。「ままならぬもの 鴨川の水 双六の賽(さい) 山法師」という白河法皇の天下三不如意は有名だ。
同事務所によると、1935年(昭和10年)にも大水害があり、甚大な被害をもたらした。それを契機に川底を下げるなど、10年ほどの歳月をかけて「昭和の大改修」が行われ、現在の護岸もその当時に造られたものが多い、という。「80年ほど経過して老朽化も進んでいるはず」と担当者。
現在進む工事は川底を3メートルほど深く掘り下げ、高さ4.5メートルの石積みを修復するという。工費は約3千万円。台風シーズンが過ぎ、水量が少なくなる10月から工事を始め、年内に完了するペースで進んでいるという。ちなみに、地元漁協と協力して工事区域の魚類を救う「おさかな救出作戦」も行った、とか。
京都を象徴し、住民や観光客の憩いのスポットとなっている鴨川。同事務所の担当者は「護岸の老朽化は進んでいる。近年の集中豪雨もあり、今後も予防保全を進めたい」と話す。
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