松浦の工場で地域貢献 近江鍛工(大津市)に「ふるさと企業大賞」

ふるさと財団の上杉専務理事(右)から表彰状を手渡される近江鍛工の坂口会長=松浦市役所

 地域の経済や雇用、イメージアップなどに貢献した企業を表彰する「ふるさと企業大賞(総務大臣賞)」に、松浦市御厨町に長崎工場がある鉄鋼鍛造品製造業の「近江鍛工」(滋賀県大津市)が選ばれ、松浦市役所で表彰状の伝達式があった。
 同大賞は、地域総合整備財団(ふるさと財団)がふるさと融資(地域に資する民間事業者を支援するため、都道府県や市町村が長期の無利子資金を融資する制度)を利用し、本年度は全国から近江鍛工を含む6社が受賞した。
 近江鍛工は新幹線や飛行機などの部品に使われるローリング鍛造品製造のパイオニア。同大賞では▽高い技術力▽従業員約80人の9割以上を地域から雇用▽御厨地区の小中学校に図書費を寄付-など長年の地域貢献活動が認められた。
 伝達式には同社の坂口康一代表取締役会長、長崎工場の安田誠二工場長、太田富穂、田中祐毅両副工場長が出席。財団の上杉耕二専務理事が坂口会長に表彰状、友田吉泰市長が副賞の盾を手渡した。
 上杉専務理事は「コロナ禍や原油価格、原材料の高騰などで製造業は逆境にあるが、元寇を撃退した松浦の地にある企業として逆境をはね返し、これからの時代を切り開いてほしい」とあいさつ。坂口会長は「大量の電力や燃料を使う事業であり、二酸化炭素(CO2)削減など環境問題にも積極的に取り組んでいきたい」とお礼を述べた。この後、坂口会長らは県庁を訪れ、平田研副知事に受賞を報告した。

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