華やかさが魅力のワイン 楽しめるワイナリーへの夢

仁木町の小高い丘の中腹にあるル・レーヴ・ワイナリー。札幌から移住した本間裕康さんが2015年から手掛けるワイナリーです。

元々医療関係の仕事をしていた本間さん。ワインが共通の趣味という縁で結婚した奥さんと世界中のワイナリー巡りを楽しんでいましたが、岩見沢市栗沢町のナカザワヴィンヤードが作る「クリサワブラウン」のおいしさに衝撃を受け、自分のワイナリーを持ちたいという夢を持ちました。

本間裕康さん

北海道内のワイナリーで修業を積んだ後、2015年に仁木町でブドウ栽培を開始。2020年には自前のワイナリーをオープンしました。仁木町を選んだのはワイン産地として名高いフランスのアルザス地方に気候が似ていて、同じ品種を栽培できると考えたからと言います。約2ヘクタールの畑では、フランス原産のシャルドネ、ピノ・ブラン、ピノ・グリ、ムニエ、メルロー、ピノ・ノワールなど12種類を栽培しています。
「病気になると酸化防止剤を入れざるを得なくなる。きれいなブドウを作るのが一番大事」と話す本間さん。極力農薬を使わないよう、ブドウの枝をまっすぐ密にならないようにするなど、栽培方法の工夫を重ねます。

一方、山に接した畑のため、シカやアライグマとの戦いも。初年度は3分の1を食べられたと言います。作るワインは名前やラベルを日本風にしている通り、本場ヨーロッパ原産の品種を使いながらも繊細さを重視しています。ル・レーヴ・ワイナリーを代表する銘柄が「結(むすび)」という白ワイン。赤ワイン用も含めた7品種のブドウをブレンドして造っています。色調は薄いレモンイエローに輝き、味はフルーティーさにうまみが加わりながらドライ。桃のような余韻も感じられる魅力的なワインです。赤ワイン用の黒ブドウも入ってるため、普通の白ワインより、膨らみを感じられます。「お祝い事の時に飲んでほしい」と話す通り、見た目にも味にも華やかさを重視した逸品です。

お祝い事の時に飲んでほしいという「結」

ワイナリーと自宅を兼ねた建物1階正面にはカフェスペースがあり、ブドウ畑を見ながらゆったりとワインを楽しむことができます。さらに、民泊用の部屋もあり、宿泊もできるようになっています。

自宅兼ワイナリー

ワイナリー巡りの楽しさを知る本間さん。その魅力を発信したいと、数年後には敷地の中にオーベルジュも建てる計画です。ヨーロッパで盛んな「ワインツーリズム」を日本でも拡めたいという夢に向かって、仁木の丘から着実に歩みを進めます。

カフェスペースもある

(2021年12月11日放送 テレビ北海道「土曜旅館 今知っておくべき北海道のワイン」で取材させていただきました)

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