共産市議の政治活動用ポスターに顔写真 横浜・山中市長「『撤去して』と伝えたが・・・」

山中竹春市長(資料写真)

 共産党の横浜市会議員が掲示している政治活動用ポスターに山中竹春市長の写真が掲載されていることを巡り、10日に開かれた市会第4回定例会本会議の一般質問で、自民党会派の市議が山中市長の政治姿勢についてただす場面があった。

 このポスターを掲示しているのは鶴見区選出の古谷靖彦氏。8月に就任した山中市長の公約や実現した政策などを列挙するとともに、市長の写真などもあわせて掲載している。

 質問に立った福地茂氏(自民党・無所属の会)は、今夏の市長選について「(山中市長は)立憲民主党から推薦を受けたが、共産党は自主的支援だった」とした上で、「ポスターでは市長の写真と議員(の写真)が並んでいる。とても自主的な支援(の間柄)とは感じられない」と指摘。共産党との距離感について、市長に所感を求めた。

 これに対し、山中市長は「(ポスター掲載を)事前に承知していなかった。私はポスターを撤去してほしいと考え、(古谷氏に)秘書が伝えた」と説明した。

 ただ、古谷氏によると、ポスターは政務活動費を使い市政報告の一環として作製したもので、市長の写真は議長の許可を得て本会議場で撮影しており、「法的な問題はない」として撤去には応じていないという。

 山中市長は、自身の肖像権について「公職にある以上、公務中の撮影やその使用は一定程度許容される」との見解を示しつつ、市長として公平性を保つ観点から「さまざまな受け止め方が考えられるので、影響を考慮した慎重な対応が必要。今回は掲載を見合わせていただきたかった」と述べた。

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