2695万円の“グッズ”提案に「面白い」と快諾　西武・栗山巧の偉業祝う珍商品誕生の訳

栗山の2000安打を祝う“異色商品”の数々…仕掛け人に聞いた

9月4日、西武の生え抜き選手では初の2000安打を達成した栗山巧外野手。その偉大な記録をたたえ、様々な記念グッズが発売された。商品数は約200種類にも及び、中には実寸大の990万円の銅像や550万円の胸像など、ファンも驚きの商品が発売され、SNSでも話題に。なぜユニークな企画が誕生し、多くの商品が発売されたのか。西武ライオンズ事業部MD/エンターテインメントグループ・マネージャーの小田明人さんに話を聞いた。【篠崎有理枝】

【実際の写真】990万円の銅像や2695万円の家… 栗山巧の偉業にちなんだ“珍グッズ”の数々

記念グッズは、2000安打へと向かう時期から偉業達成後にかけ、時期をずらして4段階に分けて発売。その数は約200種類に及んだ。小田さんは2020年のシーズン中から商品の種類や発売時期を考え始めた。

「栗山選手が2000安打を達成すれば、球団生え抜き初の偉業になりますし、ファンの皆さんの期待度が大きいことは昨年から感じていました。そのため、パ・リーグで優勝した時以上にグッズの種類が必要だと考え、準備を進めました。また、ファンの皆さまに2000安打達成の喜びを共有できる機会を多く用意したいと考え、達成前のカウントアップから達成商品については発売タイミングを複数に分けて展開しました」

約5年間グッズ制作に携わる小田さんは、シーズン中に発売する通常の商品を考えていく中で、長年アイデアを温めてきた。記録達成時にぴったりだと思うものを探したり、時計やスノードームなど普段はなかなか発売する機会がなかったものに目をつけたり……。今回発売された銅像や胸像も、その中の一案だったという。

“栗山巧の家”に本人も「面白い」…シーズン中から積極的に協力

「現役選手の銅像や胸像が作られることは極めて珍しいですが、栗山選手にグッズとして販売することを伝えたところ、快諾いただきました」

さらに「西武ハウス栗山巧の家」と題し、建築本体価格2695万円（税込）の企画型住宅が限定5棟発売された。玄関の床にはスパイクの足形が刻まれていたり、ひとりで集中する時間を過ごすためのリフレクションルームが設けられていたり、栗山の“こだわり”が詰まっている。1棟目の成約者の自宅には、栗山本人が訪問予定だ。

「家の企画については、栗山選手も『面白い』と言って、プロモーションを含めシーズン中にも関わらず積極的に協力してくれました。問い合わせもいただいており、非常に嬉しく思っています」

高額商品は話題になったが、実際にファンから人気を集めているのはユニホームやTシャツなどの定番商品。ビアジョッキやマグカップなど普段使いできるグッズも支持を得ているという。満を持して発売された商品を手に、史上54人目の快挙を振り返ってみてはいかがだろうか。