政府が子どもの貧困・虐待対策のデータベース構築…評価の声と不安も

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。11月24日(水)放送の「ニュースFLASH」のコーナーでは、政府が方針を固めた「貧困・虐待対策のデータベース構築」について意見を交わしました。

◆子どもの貧困・虐待などの問題解決のために

子どもの貧困や虐待を防ぐため、政府は家庭の経済状況や子どもの学力といった幅広い情報を一元化するデータベースを構築する方針を固めたことがわかりました。これは岸田政権が推進するデジタル改革の一環で、当初は貧困対策のデータベースを検討していましたが、虐待にも範囲を広げることに。困難を抱える子どもを早期に見つけ出し、支援に繋げる狙いです。

また、自治体の部署間での情報共有が壁となっていることから、データベースで扱う個人情報に関するガイドラインを作成し、早ければ2023年度の全国展開を目指します。

このニュースは、SNS上でも大きな話題となりトレンドワード化。賛同する声が見られる一方で、個人情報が国家によって収集・データベース化されることに対し、管理や使い方を心配する声もありました。

◆家庭状況などデータベース化、抱える課題は?

インスタメディア「NO YOUTH NO JAPAN」代表の能條桃子さんは、施策自体は良しとしつつも「行政が信頼をどう作っていくのかもそうだし、情報が省内や自治体内で共有されている分には問題ないと思うが、誰がアクセスできるのか。それによっていらないジャッジがされないことが大事」と不安を吐露。

対して、作家で起業家の小幡和輝さんは肯定派。これまでは学校や家庭、さらには塾なども含め、子どもの情報は多方に散らばっていただけに「それを1つに集約し、その子に合わせた適切な対応ができるのはいいと思う」と期待を寄せます。

能條さんは改めて「必要なことではある」と言いつつ、「不安に思ってしまう背景には、データベースを作ったところで(使われない)、作って終わりになってしまうんじゃないか。それが適切に運用されるのか、誰がアクセスできるのかを含め、もう少し具体策が出てくれば」とより深い議論を希望。

さらに、「例えば、児童相談所もオーバーワークもそうだし、いろいろとやっていくなかの1つの施策ではあると思うので、体系的にもう少し考え、進めるのはいいが、予算も含め、他にも必要なことはある」と指摘します。

キャスターの田中陽南は「いい取り組みだと思う」と評価。「虐待の様子などは、引っ越してしまい市町村を跨ぐと引き継がれない問題もあったりするので、そこは必要」とデータベース化のメリットを語り、「データベース化することで、いろいろものが見られるようになれば」と望んでいました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag

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