スピルバーグ監督 亡き父に名作リメイク映画を捧げる 昨年103歳で他界

スティーブン・スピルバーグ監督(74)は亡き父に『ウエスト・サイド・ストーリー』 を捧げている。1961年のジェローム・ロビンスの名作『ウエスト・サイド物語』のリメイク版である同作を通して、息子の仕事をとても応援していた昨年103歳で他界した父アーノルド・スピルバーグを称えたかたちだ。

スピルバーグ監督はDigtal Spyにこう語った。

「私の父は『ウエスト・サイド物語』が大好きで、何度も観ていました。彼が103歳で亡くなった時、映画は未完成だったものの、撮影現場に時々顔を出してくれたようなものでした。彼がロサンゼルスに居て、私たちがニューヨークで撮影をしている時は、iPadでFaceTimeを使って撮影現場や演技を見てもらったりできたのです」

「私たちはiPadをモニター前に持ってきて、父がプレイバックを見れるようにしました…ロサンゼルスからニューヨークの撮影現場に来るには、父はあまりにも高齢でしたから。彼が来たことのない唯一の映画の撮影現場でした。本当にたった一つのね」

「父は『シンドラーのリスト』のためにポーランド、『インディ・ジョーンズ 』のためにイギリスに来てくれました。私は父がこの映画をとても愛していると感じていましたから、完成作品を見てもらうことができなかったのをとても残念に思い、これを彼に捧げたのです」

ウィリアム・シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』にインスパイアされた1950年代のブロードウェイミュージカルをもとに制作された1961年のオリジナル作品は、プエルトリコ人の役に白人を起用したことで批判にさらされた。リメイク版でスピルバーグは、アニタ役を演じた現在89歳のリタ・モレノに新たな役を与え、レイチェル・ゼグラー、デビッド・アルバレス、アリアナ・デボースなど、多くのラテン系俳優を起用したほか、スペイン語の「尊厳」を守るためにスペイン語の会話には字幕をつけないことにしたという。

スピルバーグ監督は「スペイン語に字幕をつけることは、アメリカの第二言語に対して失礼であり、スペイン語が話されている時に横または下に字幕として英語が書かれることによって英語が支配的な言語になってしまうと思ったのです。尊厳が与えられるべきところに与えるという完全な尊敬の念からそうしたのです」と説明している。

(BANG Media International/よろず~ニュース)

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