東京五輪柔道男子81キロ級金メダリストの名前を冠にした「第2回永瀬貴規杯少年柔道大会」が11日、長崎県諫早市小野体育館で行われ、幼児から中学生までの男女約500人が熱戦を繰り広げた。会場に駆けつけた永瀬貴規(旭化成、長崎日大高出身)は冒頭あいさつで「普段の稽古の成果を存分に発揮して、記憶に残る大会にしてほしい」と呼び掛けた。
昨年に続き2度目の開催。コロナ禍で各種大会の中止が相次ぐ中、練習を続ける子どもたちに喜びや悔しさを肌で知ってもらおうと、長崎日大柔道部などが企画した。県内外からの参加者全員に永瀬のサインをプレゼント。五輪王者だけが次の五輪まで付けられる「ゴールドゼッケン」の柔道着や金メダルの展示もあった。
3部に分かれ、19階級を実施。各階級の決勝はオリンピアン自ら審判を務め、入賞者にメダルを掛けた。小学3年男子重量級を制した松本琉生(岐宿)は「永瀬選手が審判をしているから、勝ちたいと気合が入った。話してみたら、かっこよかった。永瀬選手みたいに粘り強い五輪選手になりたい」と目を輝かせた。
大会実行委員長で永瀬の恩師でもある長崎日大高の松本太一監督は「今まで大会がなくて、子どもたちが笑顔や泣き顔になることがなかった。試合を見ていたお父さんお母さんも楽しそうだった。とにかく子どもたちに喜んでもらえてよかった」と大会の意義を強調した。
<一問一答> 来年の世界選手権 優勝目指す
「永瀬杯」で子どもたちの勇姿を見守った永瀬に大会の感想や、来年の目標などを聞いた。以下、一問一答。
-前回の倍以上の子どもたちが集まった。「永瀬杯」への思いを。
長崎にすごくお世話になった。一つの恩返し。何かできることがあればと思っていたから、この大会の開催はうれしい。子どもたちに何かいい刺激を与えられればいいなと思う。
-子どもたちの戦いぶりを見て。
昔の自分を見ているよう。勝ったら喜び、負けたら泣いて。全力で柔道を楽しんでいて、本当に好きなんだなと感じた。
-コロナ禍での稽古についてアドバイスを。
柔道を好きになって日々、自分の柔道を磨いていってほしい。少しずつ自分なりに毎日の課題を見つけて、クリアして日々取り組んでほしい。
-今年を振り返って。
人生のすべてを懸けてもいい年だった。目標にしていた東京五輪で金メダルを獲得できた。
-まだゴールドゼッケンに袖を通していない。
次の五輪まで各階級1人しか付けられない。金メダリストの自覚が問われる。これから自分にプレッシャーをかけながら、日々稽古に取り組みたい。次の国際大会で使用することになると思う。
-来年の目標を。
世界選手権の出場権を獲得して、世界一を目指す。まだまだ柔道家として成長したい。畳の上でみなさんに夢や希望を与えられる試合をしたい。
-地元へメッセージを。
今の自分があるのは、たくさんの方に支えられたから。感謝の気持ちを伝えたい。これからも競技者として頑張っていくので、ぜひ応援よろしくお願いします。