美ら卵、優良経営体表彰 県内13年ぶり、6次産業化部門で

 優れた経営を実践する農業経営体を表彰する2021年度「全国優良経営体表彰」の6次産業化部門で、鶏卵の生産や加工、販売を手掛ける美ら卵養鶏場(南城市、諸見里元(はじめ)社長)が、全国担い手育成総合支援協議会会長賞を受賞した。県内の受賞は08年度以来13年ぶり。

 美ら卵は06年に設立。養鶏業界の大規模化が進む中で、自社ブランド卵の生産で付加価値を高め、市場流通価格より高値で取引されている。

 製造、小売りと経営を多角化させ6次産業化に取り組み、地域の農産物を活用した商品を年間100種類以上開発。店頭やネット、ふるさと納税の返礼品など販路を拡大している。

 10日、県庁で伝達式があり、県農林水産部の下地常夫農政企画統括監が諸見里社長に賞状を手渡した。下地統括監は「美ら卵の経営戦略は、中小規模の多い県の養鶏産業において目指していく方向の一つだ」と評価した。

 諸見里社長は11年の台風による電気トラブルで養鶏3700羽が死ぬ苦境に追いやられながらも、事業の再建に奮闘してきた経緯を紹介した。「スタッフや地域の皆さんら多くの支えがあった。さらなる循環型農業や6次産業化にまい進していきたい」と受賞を喜んだ。

 (小波津智也、写真も)

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