田辺の魅力や課題確認 地元民と移住者が意見交換

地元側と移住側のそれぞれの立場から、田辺について語ったトークイベント(12日、和歌山県田辺市上の山1丁目で)

 人材育成事業「田辺市まちづくり市民カレッジⅢ」のトークイベント「激論!地元民&移住者~田辺のええとこ わりぃとこ」が12日、和歌山県田辺市上の山1丁目の田辺スポーツパークで開かれた。田辺市に住む4人が「地元側」と「移住側」の視点から、田辺暮らしの魅力や困ったエピソードなどを話した。

 トークイベントは、地元と移住者それぞれの立場で田辺の良いところ、悪いところを共有することで、地域の魅力を再発見してもらおうと市社会教育委員会議が企画した。紀伊民報など後援。

 登壇者は、「地元側」が米穀・炊飯販売会社「たがみ」(湊)の田上雅人さん(50)と育林業会社「中川」(文里2丁目)の中川雅也さん(38)。「移住側」は移住歴10年目で龍神村で子育てに奮闘中の中島聡子さん(44)、移住歴8年目で扇ケ浜のキャンプイベントなどを手掛ける福田聖さん(40)。

 イベントではまず、登壇者がそれぞれの活動や田辺で暮らしている理由、どのような生活をしているかを発表した。

 中川さんは田辺の良いところとして、豊かな食文化や飛行機を使った東京とのアクセスの良さを挙げた。悪いところとしてWi―Fi(ワイファイ)環境の悪さを指摘し「ワーケーションを進める上で非常にネックになっている」と話した。

 埼玉県出身の中島さんは、水や野菜、果物がおいしいところや、人とのコミュニケーションが温かいこと、学校が身近で先生が子どもの一人一人を見てくれている点などを紹介。一方で「ずっとこうだったから」という固定観念が根強い点や、地元を知らない地元人が多いことを指摘した。

 イベントではパネルディスカッションもあり、登壇者の4人が田辺市について語った。田上さんは「若い人に押し付けるんじゃなく、感じてもらえるようにしていきたい。ああなりたい、帰ってきたいと思えるような場所を、笑いの絶えない場所をつくらないといけない」と述べた。

 奈良県出身の福田さんは仕事について「若い人が少ないのは、逆にチャンスだと思う」と話した。

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