1つの打席に打者は3人… “代打の代打”で三振が記録されるのはいったい誰?

野球大好き女子の菊池柚花さん【写真:荒川祐史】

怪我人連発、1ストライクごとに代打を出して三振したら?

皆さんこんにちは! 野球大好き女子の菊池柚花(きくち・ゆうか)です! 野球をより深く知るために「野球知識検定」の4級取得を目指し勉強しています。皆さんと一緒に、過去問題を使いながら理解を深めていきたいと思います。場面を想像しながら、ゆっくり考えてみてください。

問題:打席には打者A。ところが初球を空振りしたところでわき腹を痛め、代打Bが送られた。Bは2球目を強振するも自打球を膝に当てて交代し、代打の代打でCが登場。Cは3球目を空振り、三振した。この打席の三振は、誰に記録されるでしょうか?

(1)A
(2)B
(3)C
(4)3人で「じゃんけん」して決める

「代打の代打」はあまり聞かないフレーズですし、1つの打席に3人が立つとは珍しい場面ですよね。考えたこともなかったケースですが、状況を見ればあり得る話です。

選択肢を見ていきましょう。(4)の「じゃんけん」というのは面白いですよね。野球では先攻、後攻を決めるときにじゃんけんが用いられる場合もあり、公平性も高いので方法の1つとしては“アリ”かもしれませんが、さすがにその場でじゃんけんをするかというと……。(4)が答えとは思えません。

私が直感で選んだのは(3)のCさんです。三振を宣告された選手に記録もつくのではないかと考えます。代打の代打で最後に出場したCさんに、打席結果の責任があるのではないかと考えました。

“意外過ぎる正解”に驚き…、可能性は低いと思った選手が正解

ではルールはどうなっているのでしょうか? 早速ですが、公認野球規則を見てみましょう。三振について定めた規則には、以下のような条項がありました。

「1打席に3人の打者が代わって出場し、3人目の打者が三振に終わったときには、2ストライクが宣告されたときに打撃についていた打者に、三振と打数とを記録する」(野球規則9.15(b))【注】

つまり、三振の記録がつくのは「2ストライク目を宣告された打者」ということで、答えは(2)のBさんということになります。

Bさんという意外すぎる正解に、私は結構驚きました。3人の中で1番可能性が低いと思っていたので……。少しかわいそうな気もしますが、ルールとあれば仕方ないですね。やはり公認野球規則を読み込むと、意外なルールが隠れていますね。

1つの打席に3人の打者が立ち、三振に終わったケースは日本のプロ野球ではまだないそうです。いつかこのような場面に遭遇したら、ぜひ周りの人たちに教えてあげてください。

※「First-Pitch」では、野球女子の菊池さんと一緒にルールを基本から学ぶ連載をスタートします。同じように野球を“勉強中”の少年少女や、保護者の皆さんにお読みいただければ幸いです。(菊池柚花 / Yuuka Kikuchi)

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