3歳長男が浴槽で溺死 起訴の母親「発達遅く悩み」ワンオペ育児で「孤立」

京都地検

 2017年に京都府木津川市のアパートで母親が当時3歳の長男を浴槽に沈めて殺害したとされる事件で、殺人容疑で逮捕された久木山(くきやま)佳代容疑者(37)=京都府宇治田原町銘城台=が「長男の発達が遅く、育児に悩んでいた」と供述していることが13日、捜査関係者への取材で分かった。京都府警は、事件当時は精神的に疲弊していた可能性が高いとみている。

 京都地検は同日、殺人罪で、久木山容疑者を起訴した。起訴状によると、久木山被告は17年11月24日午後6時から同6時半ごろの間、当時住んでいた同市山城町のアパートで、湯を張った浴槽に長男の永時(ながとき)ちゃんを沈めて溺死させたとしている。

 捜査関係者らによると、久木山被告は永時ちゃんの発達が周囲の子と比べて遅いことに悩みを抱えていた。行政機関にも相談はしていたという。当時は夫と永時ちゃんを含む子ども3人と暮らしていたが、育児や家事を1人でこなす「ワンオペ育児」の状態だったとみられる。「家庭内で話を聞いてもらえずに、孤立していた」と供述しているという。

 捜査関係者の説明では、久木山被告は逮捕の1年以上前から、永時ちゃんの殺害を周囲にほのめかしていた。府警には今年の夏以降になって情報が寄せられたとされる。

© 株式会社京都新聞社