朝鮮の天才児たち、特技でバトル 毎年行われる全国コンテスト

朝鮮では幼稚園などの教育機関で算盤や速読などがカリキュラムとして組み込まれるなど、学齢前児童に対する知能啓発の取り組みが活発だ。

その成果を垣間見られるのが2008年から毎年行われている「秀でた才能を持つ全国幼稚園児童のコンテスト」だ。今年は10月28、29日の両日にオンライン形式で行われた。

 参加者の4割が知能分野

 コンテストは、知能、芸術、スポーツ、書芸、絵画および工作の5つの分野をさらに細分化した部門別に、児童らが特技を実技で披露し、審査員らが審査する方法で行われる。

オンラインによる実技審査のようす(C)朝鮮新報

今年は全国から選抜された230余人の幼稚園児が参加した。各部門の参加率からは、幼稚園や保護者、児童自身の関心ジャンルの傾向がうかがえる。

今回、圧倒的な人気を博したのが知能部門だった。今大会の参加者の40%におよぶ90人が同部門に参加。同部門では、トランプ記憶テスト、数字記憶テスト、二進数記憶テスト、速読、色合わせなど、大人顔負けの高難易度の課題が出題された。

中でも注目を集めたのは、大会史上初めて実施されたロボット部門のコンテストだった。

同部門で最優等生として評価されたのが、平壌牡丹峰区域のキンマウル1幼稚園のムン・チャリョンさん(6)だ。

ロボットを上手に組み立てるムン・チャリョンさん(C)朝鮮新報

キンマウル1幼稚園では最近、児童らの知能を総合的に啓発するためロボットづくりを教育に取り入れた。ハン・ヒャンラン教養員(36)は、「空間認識能力と数学応用力の総体であるロボットづくりは、幼稚園児にはまだ手に余るものだといえます。ムンさんは先天的に手先が器用で、記憶力、観察力、想像力、数を数える力が長けており、完成されたロボットを分解し、またすぐに元通りにできました。着想と設計、部品の正確な選定で自分が思い描く通りにロボットを組み立て、さらにその性能を説明することもできます」と話す。

ムンさんはこれまでに運搬や扇風機などの機能を備えたものなど、さまざまな小型ロボットを自力で作成したという。

今大会では、幼稚園に乳製品を運ぶトラックをイメージして、太陽エネルギーで動く車型ロボットを組み立て、審査員を驚かせた。

 教育委員会のパン・ドンウン教学(44)は、「今大会を通じて、幼稚園における総合教育を土台として、子どもたちの天性の才能と素質を積極的に探し出し、開花させるよう不断に取り組んでいくことの有効性を再確認した」と意義を指摘した。

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