テレビ長崎 未来ダイバー 茶道の先生に習う、面接中の美しい立ち振る舞い

ちょー:はぁ〜……。

にゃこ:どうしたの?ちょー。そんなに落ち込んじゃって。

ちょー:模擬面接がボロボロで…。
やる気が見えない!姿勢が悪い!って、ダメ出し三昧だったよ。

にゃこ:ちょー、いつも考え事してる雰囲気醸し出してるし、背中はまるまってるもんね。
そこが魅力なんだけどね。

ちょー:就活ではマイナスな魅力ばかりだよ。すさむわ〜。

にゃこ:本気で落ち込んじゃって珍しいね。
よし、ぼくが良いところに連れて行ってあげるよ!

ちょー:出かける気分じゃないんだけど…。

にゃこ:いいから、いいから。こっちこっち〜!

というわけで、やってきました。

にゃこ:到着でーす!

ちょー:平山茶道会館?いいとこって、ここ?
お作法とか分からないよ。

にゃこ:大丈夫!ぼくも分からないから。こんにちは〜。

ガラガラッ…。

平山先生:ようこそ、いらっしゃいました。平山茶道会館 代表、平山です。

[お話した相手]
平山 恭子 先生

昭和55年に開業した平山茶道会館の代表。日本文化の魅力を発信することを掲げ、茶道をはじめ、くずし字、古典文学、懐石料理、英会話など様々な講座を開催している。

平山茶道会館 WEBサイト ▶︎

にゃこ:はじめまして!就活生のにゃことちょーです!
実はこのちょーが落ち込んでて…心を整えるためにも、お茶をいただきたいんですけど、いいですか?

平山先生:ぜひ、どうぞ!そちらにお座りください。

ちょー:(超ウェルカム!!涙)
すみません、ありがとうございます…。

平山先生:よろしかったら、先にお菓子をどうぞ。

にゃこ:わぁ!きれい〜!

ちょー:キラキラしてる…。色も透き通ってて、すごく綺麗ですね。

平山先生:夏らしいでしょう?茶道のいいところの一つは、お菓子でも季節を感じられることなんですよ。

にゃこ:ん〜!おいしい!黒糖の優しい甘みを感じるね。

平山先生:早速、お茶をお点てしますね。

ちょー:ひとつひとつの動作が、すごく綺麗だね。

にゃこ:うん、つい見入っちゃうね。

にゃこ:すごいスピード!こうやって美味しいお茶を点てるんだ。

ちょー:…あの、すみません。お作法とか全く分からなくて…。教えていただけますか?

平山先生:もちろんです。ではまず、そちらで立ってください。他のお客様にお尻を向けない角度でお辞儀をして…。

(一連の流れをご説明いただき、お茶をいただく)

にゃこ:ふぅ〜。お茶もお菓子も、とても美味しかったです!
えっと、「結構なお点前でした」…でいいんですっけ?

平山先生:ふふ、そのイメージが強いですよね。でも実はあまりそのようには言わないんですよ。
「大変結構でございます」「美味しゅうございます」のように仰ることが多いですね。

ちょー:なるほど、そうなんですね。
美味しゅうございます!

にゃこ:最初は少し緊張したけど…。
ひとつひとつの動作に集中して、ゆっくりお茶をいただくと、リフレッシュできるね。

ちょー:うん、そうだね。
なんだか心に安らぎが訪れた気がします!

平山先生:それは良かったです。

ちょー&にゃこ:先生、ありがとうございました!

姿勢は敬意の心から。

ちょー:先生の動作、すごく綺麗でした。茶道のお作法が、面接での立ち振る舞いにも活かせそうです。
実は面接の練習で、つい姿勢が丸まっちゃって…もっとシャキッとしろって注意されたんです。

にゃこ:平山先生、やっぱり茶道でも姿勢は大事ですか?

平山先生:そうですね、背筋が真っ直ぐなことは大切です。
同じことを言っても、良い姿勢・悪い姿勢だと、印象が全然違うと思いますよ。

ちょー:やっぱりそうですよね…。良い姿勢を保つためのコツはありますか?

平山先生:相手への敬意を持てば、自然と背筋が伸びると思います。
茶道では、着物をきておもてなしをしますが、全て「出会えてありがとう」と言う感謝と、相手への敬意のあらわれなんです。

にゃこ:敬意か〜。

平山先生:はい。面接でも、感謝と敬意を持ってのぞみながら、いかに自分を発揮するかが大事だと思いますよ。

ちょー:まずは気持ちから、なんですね。

お辞儀のコツ。

ちょー:お辞儀もギクシャクしちゃって…。茶道ではどのように指導されているんですか?

平山先生:あまり具体的には指導はしていないんですよ。
手の間に額を下げて、一拍おいて頭を上げる、というくらいですかね。

相手の目を見て…

一拍置いてから、頭を上げる。

にゃこ:さすが、落ち着きがある…。

平山先生:細かい形にこだわるより、自然体でいる方がいいと思いますよ。
茶道でも、やはり自然体で綺麗なお点前は惹きつけられます。

ちょー:自然体かぁ。

平山先生:これは私の持論なのですが…。
お辞儀やお箸の持ち方が正しく出来たとき、人って「気」が通ると思うんです。
お辞儀やお箸を持った姿勢って、他の人が強く押してもビクともしないんですよ。

ですから、丁寧にお辞儀をすることで、自分自身が強くなり、面接官に向けても自分をしっかりPRできるようになると思います。

ちょー:お辞儀をすることで、自分が出せる、か…。
そんな風に考えたことなかったです。

平山先生:柔道や将棋等は、対戦前に必ずお辞儀をするでしょう?
お辞儀は「気」を通して、自分を強くするための儀式なんです。
心と体は一体になっていますからね。

にゃこ:お辞儀に対する認識が変わりました!

その他、気を付けるポイント。

ちょー:立ち振る舞いで、他に気を付けるべきポイントはありますか?

平山先生:そうですね。両手の先、足先まで気を配ることも大切です。
立っている時・歩いている時・座っている時、いつどの角度から写真を撮られても大丈夫なくらい、気を配れるといいですね。

にゃこ:先生はお点前の時も、ずっと指先まで綺麗でしたもんね。

平山先生:あとはお辞儀や歩くときに、相手にお尻を向けない、とかですね。
これは面接のお作法でも言われているかもしれませんが…。

ちょー:はい、面接の練習でも指導されました!

にゃこ:そういったマナーは一緒なんだね!

茶道は、こんな人におすすめ!

ちょー:初めて茶道を体験したのですが、もっとハードルが高いのかなと思ってました。
思っていたより、気負わなくてもいいんですね。

平山先生:着物がいるのでは?と思われがちですが、お洋服でもいいんですよ。
あと、長時間正座できないことを不安に感じる方もいらっしゃいますが、こちらでは腰掛けをご用意しています。
茶道教室の皆さんも腰掛けを利用されていますよ。

茶道教室では腰掛けに座ってもOK。

にゃこ:正座しなくても大丈夫なんだね!ぼく、正座苦手だからよかった。
生徒さんはどんな方が多いんですか?

平山先生:平均年齢は70代で、長い方は開業時から40年以上通われていますね。
20〜30代の方もいらっしゃいますし、月に1回開催している「喫茶去(きっさこ)の会」には、大学生・留学生の方もいらっしゃいますよ。
喫茶去の会は初心者の方にも参加いただきやすいように、参加費1,000円で開催しています。

ちょー:1,000円で参加できるんだ!それなら気軽に挑戦できますね。

平山先生:日本人が、日本文化をもっと身近なものにできるといいなと思っているんです。
日本人なら、誰でもお点前ができる、お茶を出されたら誰でも飲める、という形になるのが目標です。

にゃこ:茶道だけじゃなくて、古典とか英会話とか、いろんな教室を開催されているんですよね。

平山先生:はい、それも全て日本文化を楽しんでもらうための教室なんですよ。
古典文学講座で源氏物語を学んだり、懐石料理の講習会や、くずし字を読む会も開催しています。
「くずし字で読む古典文学」は、Youtubeでも動画を配信しているので、ぜひ見てみてくださいね。

平山茶道会館 Youtube ▶︎

ちょー:Youtubeでも発信されてるんですね、すごい!
英会話教室はなぜ開催されてるんですか?日本文化ではないですが…。

平山先生:茶道などの日本文化を学んだ方が、その魅力を海外の方に伝えられるように、という想いで「ときめき英会話」という教室を開催してます。
海外の方は、英語がペラペラの人だけではなくて、日本文化を知っている方とも交流したいと思うんです。

月に1回発行している「たより」でも様々な教室を紹介している。

にゃこ:茶道はどんな人にオススメですか?

平山先生:忙しい方程おすすめですね。
お稽古中は黙っている時間が長いので、いつの間にか自分と向き合い、リフレッシュに繋がると思います。

ちょー:確かに、なんだか頭がスッキリした気がします!

平山先生:あと、茶道をしていると集中力が上がります。目の前にあるもの・人とだけ対峙する時間ですからね。
人前でお点前をしたり、お茶をいただくので、人前に出ることにも慣れますね。

にゃこ:人前に慣れたら、面接の時も緊張しなくなるかも!

平山先生:他にも、日々の中で楽しみを見つけるのが上手になると思いますよ。
他の方がお茶をいただく間、じっと待っている時間があるでしょう?その間、茶器を見たり、お花や掛け軸を観察したりするんです。その中で新しい発見や喜びを見つけたり…。

茶道でその習慣が身につくと、日々の生活の中でもふとした瞬間に発見や喜びがあることに、気づけるようになると思います。
今日のお花も、道端に咲く草花なんですよ。お稽古の時間で草花を楽しむことを覚えると、日常の中でも道端を観察したり楽しみが増えますね。

お花やお菓子で季節の移り変わりも感じられる。

ちょー:茶道を通して得られるものって、こんなに沢山あるんですね!

就活生にメッセージをお願いします!

にゃこ:最後に就活生にメッセージをお願いします!

平山先生:はい、こちらの掛け軸をご覧ください。
今日は「明歴々」という掛け軸をご用意しました。
真理は目の前にある、何一つ隠れてはいない、という意味です。

ちょー:真理は目の前に…。

平山先生:面接でも、ありのままの自分を見せていいと思います。
誠意を持って、背伸びしすぎずに、ぜひ素直な気持ちで臨んでください。
面接官もプロなので、自分を隠したり盛ろうとしても、すぐ見てとられると思いますよ。

にゃこ:う〜ん、確かに自分を良く見せようとしちゃうかも…。

平山先生:面接も結局はマッチングなので、企業によって欲しい人材は違います。
たとえ自分を隠して採用されても、長続きしないと思います。
人と比べず、自分の持ち味を出してくださいね。

ありのままの自分を晒してください。誠意が感じられたら、多少どもっても大丈夫です。

ちょー:自分の持ち味か〜。アイデンティティを見失いそうになってたけど、自信を持って頑張ります!

平山先生:頑張ってください!
ぜひまたリフレッシュしにいらしてくださいね。美味しいお茶をお点てしますよ。

ちょー&にゃこ:はい、また来ます!今日は本当にありがとうございました!

今回の相談相手

平山茶道会館

【お茶会開催 問い合わせ受付中】
人数が集まれば、お茶会の別途開催も可能です。
WEBサイトのメールフォーム、もしくはInstagramのDMからお問い合わせください。

〒850-0016
長崎市夫婦川町2-4

トップページ – 平山茶道会館平山茶道会館は、昭和五十五年、茶道を志す方々の学びの場、研鑽の場となることを願い設立しました。

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