県内景況感 大幅に改善 12月短観 感染減で非製造業好転 日銀長崎支店

日銀短観 県内業況判断DI(全産業)推移

 日銀長崎支店が13日発表した12月の県内企業短期経済観測調査(短観)は、全産業の景況感を示す業況判断指数(DI)がマイナス3で、前回9月調査時から14ポイント上がり、2期連続で改善した。テレビドラマ「龍馬伝」効果などが表れた2010年9月調査(13ポイント上昇)以来の大幅な改善となった。新型コロナウイルス感染者数の減少に伴う人出の増加を背景に、宿泊や飲食など非製造業が好転したのが主因。
 業種別では、製造業がマイナス14で、前回から11ポイント改善。生産用機械や電気機械の需要が増加。非製造業は、前回より16ポイント上がりプラス2。19年12月調査以来プラスに転じた。修学旅行生などの宿泊需要、観光施設やイベント来場者の増加など、幅広い業種で客足が回復した。
 22年3月の先行きは、全産業でマイナス7と見込む。鴛海健起支店長は「比較的、早いペースで経済活動が回復しているが、原材料価格の上昇に対する警戒感が強まり、感染症の動向とともに企業マインドの慎重さが拭えない要因となっている」と分析。一方、設備投資が堅調に推移している点を挙げ、「先送りしていた投資や将来を見据えた戦略的投資など、しっかりとした計画が維持されている。幅広い投資活動が景気の下支えに効いてくると期待される」と述べた。
 業況判断DIは「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた割合を差し引いた数値。135社(製造業44、非製造業91)を対象に11月10日~12月10日に調査、全社が回答した。新型コロナの変異株「オミクロン株」の感染確認前に届いた回答が多い。


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