栃木の女性は栃木から出たい? 「生き方への寛容性」が影響か 民間調査

ヘリから撮影した宇都宮市内=2013年6月

 女性の転入が少ないとされる栃木県。民間のインターネット調査では、県内在住女性で県外への転出を希望する人の割合が、他県に比べて高いとの結果が出た。栃木県出身で東京圏(東京都、埼玉・千葉・神奈川3県)に移住した人のうち、Uターンを望まない割合も多い。「女性の生き方などへの寛容性」が転入やUターンに影響するとの指摘もある。

 調査は不動産情報サイト運営会社の研究機関「ライフルホームズ総研」が4~5月に実施した。移住意向や寛容性は18~69歳の47都道府県に住む各400人、Uターン意向は東京圏在住の18~39歳の地方(43道府県)出身者各200人に聞いた。

 移住意向では「ぜひ県外移住したい」から「全然移住したいと思わない」の7段階で質問し、栃木県の意向の強さは山梨、青森、茨城に次いで4位との結果が出た。男女別では男性15位で、女性は3位だった。

 Uターンについても「必ず戻る」から「絶対に戻らない」の7段階で質問し、栃木県出身者の約4割は意向がないとの結果が出た。Uターン意向の度合いでは、対象43道府県のうち39位となった。

 一方、寛容性は「女性の生き方」「変化の受容」「個人主義」など6項目について、八つの考え方を示して選択する形。回答を基に寛容性の高さを偏差値で算出しランキング化すると、栃木県は24位(偏差値47.4)と中位だったが、未婚女性に限ると、42位(40.5)に沈んだ。1位東京、2位神奈川、3位大阪と上位は都市部が並んだ。

 同総研は調査結果を踏まえ、地域の寛容性が転出入やUターンに影響すると分析。島原万丈(しまはらまんじょう)所長は「人口の社会増減は雇用や所得で単純には説明できないと考えて調査を行った。今後は地方の寛容性を高める施策を戦略的に打ち出す必要がある」などと指摘した。

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