競合路線運行一本化へ 東長崎は県営バス、滑石を長崎バスに 来年4月「共同経営」で

 県交通局(県営バス)は14日、長崎自動車(長崎バス)と来年4月に始める「共同経営」で、競合路線のうち東長崎地区の運行を県営バスに、滑石地区を長崎バスに一本化する方針を示した。同10月には東長崎地区に乗り継ぎ拠点(ハブ)を設け、生活拠点(スポーク)に分けて運行する「ハブ・アンド・スポーク型」の路線に再編する。
 県議会観光生活建設委員会で説明した。交通局によると、東長崎の路線バスは平日計420便で、310便を県営バスが運行。滑石は平日計480便のうち、370便を長崎バスが運行している。東長崎は10月からの路線再編に向けて県営バスに一本化。その車両や人員を確保するため、滑石は長崎バスが担う。
 利用実態を踏まえ、両地区ともに便数の適正化も図る。スクールバスなどは両者の運行を維持する。東長崎の山手などに向けて運行する支線路線は、10月から市のコミュニティ交通に転換する予定。
 東長崎のハブ化は長崎市が今年8月に策定した「市地域公共交通計画」に盛り込まれている。県営バスと長崎バスは来年4月実施分の共同経営計画案を年内に策定。市公共交通活性化協議会の意見を聞き、認可申請する。
 両者は路線維持のため、ダイヤ調整などを図る「共同経営」に向けた連携協定を今年6月に締結。長崎市内の全競合路線を対象に、段階的な再編へ協議を続けている。観光生活建設委では、赤木幸仁委員(改革21)、深堀浩委員(同)、前田哲也委員(自民)、小林克敏委員(自民・県民会議)が質問。地元への丁寧な説明や利便性の確保などを求めた。

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