レッドブル傘下のローソンがアルファタウリでF1初テスト「こんなに速い車が本当にあるんだね!」角田との共同作業も喜ぶ

 2021年アブダビF1テスト初日、ヤングドライバー枠で10チーム10人のドライバーが走行した。レッドブルは、ジュニアドライバーからユーリ・ビップスとリアム・ローソンを選び、ビップスをレッドブル・レーシング、ローソンをアルファタウリで走らせた。

 12月14日、15日にヤス・マリーナ・サーキットで開催されている今回のテストでは、ヤングドライバーテストと2022年に新たに導入される18インチタイヤのテストが同時に行われている。各チームは若手ドライバーに最新F1マシンで走る機会を与えなければならず、それぞれがジュニアドライバーやリザーブドライバー等を2021年型マシンに乗せた。

 2021年DTMでランキング2位を獲得したローソンにとって、今回は初めてF1カーでテストをする機会だった。125周を走り、全体の2番手のタイムを出したローソンは、「F1マシンは信じられないぐらい速かった」と驚きを示した。

「事前にシミュレーターに乗ったのだが、その時は、現実にはマシンがこれほど速いわけがないと考えていた。でも本当にこんなに速いんだね」

「子どものころからの夢だった。信じられないし、ものすごくハッピーだ」

「全開で走るまでに少し時間がかかったけれど、全開にした時には『なんてこった、すごいパワーだ!』と思った。一番の違いはダウンフォースだ。今まで乗っていたマシンより圧倒的に大きかった」

2021年F1アブダビテスト リアム・ローソン(アルファタウリ・ホンダ)

 この日、アルファタウリからはレギュラードライバーの角田裕毅が18インチタイヤのテストで参加していた。角田とローソンは、トヨタ・レーシングシリーズ参戦中にチームメイト同士だった。

「走行プランのなかでいろいろな作業をした」とローソンは一日を振り返った。「ショートランとロングランを、さまざまなタイヤで走った。僕にとって新鮮でクールだったことのひとつは、ライブデータだった。コース上を走っている時に、チームがリアルタイムで情報をくれるというのは、新しい経験だったよ」

「裕毅からのフィードバックを受けることができたのもとても役に立った。以前チームメイトだったから、彼の理解や学びを知ることができるのはいいことだし、また彼と一緒に走れたのもうれしかった」

「マシンから降りたくなかったよ。F1マシンで初めて走ることができて、最高の気分だった」

 今回参加した若手ドライバーのラインアップのなかで、2022年にF1に参戦することが決まっているのは周冠宇だけだ。周は来季加入するアルファロメオからテストに参加、デビューへの準備をスタートした。また、2021年FIA-F2チャンピオンで、アルピーヌF1チームのリザーブに就任するオスカー・ピアストリも、新たな役割を担って今回のテストに参加している。

2021年F1アブダビテスト 周冠宇(アルファロメオ)

 メルセデスは、リザーブドライバーでフォーミュラEチャンピオンのニック・デ・フリースを起用、彼はこの日のトップタイムをマークしている。フェラーリは、ジュニアドライバーで2021年F2ランキング2位のロバート・シュワルツマンとシミュレータードライバーのアントニオ・フォコを走らせた。マクラーレンからは、アロウ・マクラーレンSPでインディカーに参戦するパト・オワードが参加した。オワードは、インディカーで優勝した褒賞で今回のテストが実現した。

2021年F1アブダビテスト パト・オワード(マクラーレン)

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