チャリティ・オークションでポール・マッカートニーのベースが史上最高額で落札

Paul McCartney - Photo: Jim Dyson/Getty Images

先週末、米LAのヴァン・イート・ギャラリーズにて、慈善団体“Music Rising”主催による大規模なチャリティ・オークション「Guitar Icons」が開催され、いくつかの記録的な売上げにより、総額200万ドル(約2億2,700万円)以上の資金が集められた。

U2のジ・エッジと音楽プロデューサーのボブ・エズリンが企画した今回の“Music Rising”オークションのハイライトは、ポール・マッカートニーがツアーおよびスタジオで使用していたヤマハBB-1200“Wings”のベースギターで、49万6,100ドル(約5,642万円)で落札された。

これは、2020年に38万4,000ドル(約4,367万円)で落札されたビル・ワイマンの1969年製フェンダー ムスタング・ベースを抜き、オークションに出品されたベースとしては史上最高額となった。

ポール・マッカートニーのベースに次いで大きな売り上げを記録したのは、パール・ジャムのフロントマン、エディ・ヴェダーがコンサートで壊したレイクプラシッド・ブルーのフェンダー テレキャスターで、壊れたギターの史上最高額を更新し、26万6,200ドル(約3,027万円)で落札された。

この夜のヴァン・イート・ギャラリーズには、ジ・エッジが所有する楽器も多数登場し、彼がU2の「I Still Haven’t Found What I’m Looking For」で使用したフェンダーの特注のストラトキャスターは49万6,100ドル(約5,642万円)で、同じくU2の「ONE」で使用したギブソン レスポール“Music Rising”は18万4,525ドル(2,098万円)で出品された。

さらに、U2のボノとアダム・クレイトンもギターを寄贈しており、ツアーで演奏されたギブソンES-175とフェンダーのプレシジョン・ベースは、それぞれ26万6,200ドル(約3,027万円)、7万8,650ドル(894万円)で落札。

U2関連以外のアイテムは以下の通り;

・コールドプレイのクリス・マーティンがツアーで使用したカスタムペイントのフェンダー テレキャスター・デラックス:8万1,070ドル(921万円)
・ノエル・ギャラガーのナッシュギター テレマスター:5万1,425ドル(584万円)
・ルー・リードが所有していたゴールドのダニー・ガットンシグネチャー テレキャスターとレニー・クラヴィッツのギブソンカスタムショップ製フライングVはそれぞれ7万2,600ドル(825万円)と4万2,350ドル(481万円)
・ブルース・スプリングスティーンのサイン入り50年代フェンダー テレキャスター:7万2,600ドル(825万円)

このオークションの開催に際し、ジ・エッジは次のようにコメントしている。

「私物の楽器を惜しげもなく提供してくれたアーティスト、史上最高額の更新にご協力いただいた世界中の入札者の皆さまをはじめ、この素晴らしいオークションに関わったすべての方々に感謝をお伝えしたいです。Music Risingが得た収益は、音楽文化が世界に多大な影響を及ぼしてきたこの国の一部地域で、ライヴ・ミュージックを復活させるために役立てられます。私たちのルーツに立ち戻り、助けを必要としているミュージシャンたちを支援するための素晴らしい機会をつくれたのは、Music Risingのサポーターの皆さまのお陰です」

ボブ・エズリンはこう付け加えた。

「この“ギター・アイコン”が歴史に残るオークションになるよう協力してくれたアーティスト、サポーター、入札者の皆さまには心から感謝しています。ニューオーリンズのミュージシャンたちは、ユニークな音楽レガシーの管理人であり、世代を超えてそれを伝え、私たちが楽しむ多くのジャンルの音楽に影響を与えています。このオークションの収益は、このパンデミックによって経済的に困窮した地域のミュージシャンを支援するために使われます」

Written By Tim Peacock

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