ウエストブルックがJDCミラーでIMSAトップカテゴリー復帰。デュバルは第3ドライバーに

 キャデラックDPi-V.RでIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のDPiクラスに参戦しているJDCミラー・モータースポーツは12月15日、新加入のリチャード・ウエストブルックを含む2022年シーズンのドライバーラインアップを発表した。

 マスタング・サンプリングの支援を受け、IMSAの最高峰カテゴリーで5号車キャデラックを走らせてきたチームは、来シーズンに向けてドライバーの入れ替えを敢行。その中のひとりがベテランのリチャード・ウエストブルックだ。

 46歳のイギリス人ドライバーは、2015年にマイケル・バリアンテとともにビジット・フロリダ・レーシングのコルベットDPを駆りシリーズランキング2位となって以来、初めてIMSAのトップクラスへの復帰を果たす。

 彼は今年のレギュラードライバーだったロイック・デュバルに代わってJDCミラー・モータースポーツのフルシーズンドライバーとなり、同チームで4年目のシーズンを迎えようとしているトリスタン・ボーティエとマシンをシェアすることになる。

 一方のデュバルはWEC世界耐久選手権に主戦場を移す。だが、日本でも活躍したフランス人はJDCミラーとの関わりを継続し、ハイパーカークラスで『プジョー9X8』をドライブしつつ、IMSAでは第3ドライバーとして“ミシュラン・エンデュランスカップ”に参加する予定だ。

 また、開幕戦となるデイトナ24時間レースでは、今季のIMSA LMP2クラスでチャンピオンとなったベン・キーティングが4人目のドライバーとして登録される。ウエストブルックと同様に来月のレースでDPiクラスデビューを飾ることになるキーティングは、この決定に「夢が叶った」と述べた。

「2022年のロレックス24(・アット・デイトナ/デイトナ24時間レース)に、JDCミラー・モータースポーツから参戦できることになり、とても興奮している」と語るのは、これまでLMP2やGTDクラスといったプロ・アマクラスで戦ってきたキーティング。

「DPiというトップカテゴリーでクルマを走らせ、総合優勝を狙う機会を得られるなんて、まさに夢のようだ! トリスタン(・ボーティエ)、ロイック(・デュバル)、リチャード(・ウエストブルック)のラインアップは間違いなく総合優勝を狙えるだろう」

LMP2タイトルとミシュラン・エンデュランスカップのポールアワード、ジム・トゥルーマン賞のトロフィーを手にしたベン・キーティング

■IMSAでやり残したことがたくさんある

 JDCミラー・モータースポーツのマネージング・パートナーであるジョン・チャーチは、「ロイックとトリスタンが2022年にふたたび戻ってくることは素晴らしいことだ。そして同時にリチャードをプログラムに加わることを歓迎する」と述べている。

「2021年は、我々にとってチャレンジングな年だった。デイトナでは接触するまで非常に競争力があり、セブリングではそれを証明するかのように優勝した。しかし、その後はいくつかのレースで少し不運に見舞われた」

「クルマに速さがあることは分かっていたが、なかなか結果につながらなかったんだ」

「今年の初めにリチャードとテストをする機会があった。彼はトリスタンやロイックととともに、来年やその先の将来のパートナーとして我々のプログラムに最適な人物だと感じた」

 元フォード・ワークスドライバーで、今シーズンはスクーデリア・キャメロン・グリッケンハウス(グリッケンハウス・レーシング)のメンバーとしてWECのハイパーカークラスに参戦したウエストブルックは、「IMSAに復帰し、キャデラックDPi-V.Rを走らせるJDCミラー・モータースポーツに参加できることに本当に興奮している」と語った。

「2019年にフォード・チップ・ガナッシ・レーシングのGTLMプログラムが終了して以来、ジョンとはずっと連絡を取り合っていて、『機会があれば一緒に仕事をしたい』と思っていたんだ」

「それがようやく実現することになり、本当にうれしいよ。僕を信じてくれたジョンとチーム、そしてパートナーの皆に感謝している。このチームを2022年に向けて前進させるために必要なことは何でもするつもりだ」

「前回IMSAのトップクラスでレースをしていたときは、(最終戦の)プチ・ル・マンで惜しくもタイトルを逃したので、やり残したことがたくさんあると考えている。1月の“ロア(デイトナでの公式テスト)”が待ち遠しいよ」

2015年以来、初めてIMSAのトップカテゴリーに復帰するリチャード・ウエストブルック
2021年IMSA第2戦セブリング12時間レースで優勝した、マスタング・サンプリング/JDCミラー・モータースポーツのロイック・デュバル(左)とトリスタン・ボーティエ(右)

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