JASモータースポーツ、ゼロから設計した新型スポーツカー『ベルマットGT-ピスタ』を発表

 イタリアのJASモータースポーツは12月14日、1995年の設立以来、同社が培ってきた知識と専門技術を駆使してゼロから設計した新型スポーツカー『ベルマットGT-ピスタ』を発表した。

 ミラノを拠点とするJASモータースポーツは、ホンダ・レーシングのパートナーとして20年以上に渡りマシンを製作しており、世界中で活躍するホンダ/アキュラNSX GT3、さらにWTCC世界ツーリングカー選手権でのワークス活動、またホンダ・シビック・タイプR・TCRの開発など、カスタマーレーシングプログラムをはじめさまざまな活動を担う世界的に有名なレースチームであり、自動車コンストラクターでもある。

 そんなJASモータースポーツが今回発表したベルマットGT-ピスタは、1995年の設立以来、JASモータースポーツが培ってきた知識と専門技術を駆使して製作され、同社が提供する幅広いテクノロジーとエンジニアリングサービスをアピールするモデルになっている。

 ロヴェレートに本拠を置くベルマット社のサーキット専用モデルでもあるGT-ピスタのシャシーは、モノコック構造のカーボンファイバー製になっており、JASモータースポーツ内で高度な計算流体力学(CFD)と専門知識を用いて設計され、設計に先立って完全な構造解析シミュレーションを完了している。

『ベルマットGT-ピスタ』のフロント
JASモータースポーツが設計した『ベルマットGT-ピスタ』

 この技術はスチール製のフロントとリヤのサブフレームにも応用され、オーナーの要望に応じてホイールベース、トレッド、ボディをカスタマイズできる『モジュラー』哲学も実現し、フロントとリヤのプッシュロッドサスペンションユニットおよび、サブフレームの設計には複雑なシミュレーション手法が用いられ、どの構成を選択しても優れたハンドリングを実現するという。

 パワートレインには、320~400馬力を発揮する1996ccの直列4気筒エンジンが搭載され、このエンジンにパドルシフトで操作する6速シーケンシャル・トランスミッションが組み合わされる。

 コックピットには、最新のレーシングカーにも採用されている可動式ペダルボックスを備えた固定式シートが採用され、軽量化だけでなく、ドライバー位置を低く設定することで、より効率的な重心位置を確保した。

 このベルマットGT-ピスタは、2022年前半の発売に先立ち、12月17日にトリノ国立自動車博物館で一般公開される予定になっており、その後は内燃機関および電気パワートレインを搭載した公道走行可能なバージョンも発売される予定だ。

ベルマットGT-ピスタ
ベルマットGT-ピスタのコックピット
ベルマットGT-ピスタ
ベルマットGT-ピスタのリヤビュー

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