閉鎖続く箱根山・大涌谷自然研究路 利用再開見据え避難誘導訓練

噴煙が立ち上る中、引率者の誘導に従ってシェルターに向かう訓練参加者=箱根町の大涌谷自然研究路

 箱根山(神奈川県箱根町)の火山活動の影響で2015年5月から閉鎖が続く大涌谷自然研究路(往復約600メートル)で15日、利用再開を見据えた避難誘導訓練が行われた。一帯は噴煙地が間近で火山地帯特有の景観を楽しめる一方、突発的な噴火や火山ガスの濃度上昇の危険もある。入場中の利用客が監視員らの誘導でいち早くシェルターなどに逃げ込む手順を確認した。

 研究路は、箱根ロープウェイ大涌谷駅周辺の入場可能エリアに隣接。火山活動の沈静化傾向を受け、県や町などでつくる箱根山火山防災協議会は研究路の再開も目指す方針を固め、監視員2人の引率で30人を上限に入場を認める方向で準備を進めてきた。本年度中の再開を視野に、年明けにも協議会を開く考えだ。

 この日の訓練では、引率入場中に地震の揺れを感じたと想定。噴煙が上がっている状況を確認し、研究路沿いに県が整備した噴石対策のシェルターに緊急避難した。監視員は「落ち着いてください」と繰り返し呼び掛け、利用客は火山ガスを吸い込まないようにするためのガスマスクを着用。駆け付けた消防隊員に付き添われ、ゲートから研究路の外へ避難した。

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