若手の登竜門「ファーム表彰選手」 今季MVPの村上や本塁打王・岡本ら多士済々の名前

ヤクルト・村上宗隆(左)と巨人・岡本和真【写真:荒川祐史】

今季のパ新人王・宮城も昨年はウエスタン優秀選手

15日に行われた今季プロ野球の総決算「NPB AWARDS 2021 supported by リポビタンD」では、両リーグの新人王やベストナインがきらびやかな場で表彰された。ただこのイベントには知られざる「日中の部」があるのをご存じだろうか。2軍のイースタン、ウエスタン両リーグのタイトルホルダーや表彰選手が集まるのだ。過去の表彰選手を見ると、翌年以降1軍の戦力として羽ばたいた名も。大きなステップアップを果たした選手を見ていこう。

【表】2021年「NPBアワード」ファーム表彰選手一覧

2020年のイースタン優秀選手賞には瀧中瞭太投手(楽天)の名前がある。2年目の今季は1軍で先発の一角を占めチーム2位の10勝(5敗)防御率3.21。またウエスタンの優秀選手には、今季の新人王・宮城大弥投手の名前がある。1軍で13勝、防御率2.51はいずれもリーグ2位と、飛躍を遂げた。

2019年のウエスタン優秀選手には漆原大晟投手(オリックス)がいる。2020年に1軍22試合に投げ、今季も34試合で2勝2敗2セーブ、防御率3.03とリリーフで戦力になっている。阪神の馬場皐輔投手も2020年に32試合、今季は44試合登板で3勝を挙げた。

2018年のウエスタン優秀選手賞には周東佑京内野手の名前が。育成選手として入団したものの、2年目の開幕前に支配下へ昇格。すぐに快足を見込まれ2019年には25盗塁した。2020年には50盗塁でタイトルにも輝く活躍を見せ、2019年のプレミア12では日本代表入りも果たしている。

同年のイースタンは豊作で、優秀選手には今季のセ・リーグMVP、村上宗隆内野手(ヤクルト)、今季8勝の今井達也投手(西武)、同じく8勝した岩下大輝投手(ロッテ)、2019年に規定打席に到達し11本塁打した渡邉諒内野手(日本ハム)の名前がある。いずれも1軍戦力となるきっかけをここで掴んでいる。

オリックス・宗は7年目にしてようやく開花

2017年のウエスタン優秀選手には坂倉将吾捕手(広島)。今季初めて規定打席に達し、リーグ2位の打率.315、12本塁打を記録した。さらにパ・リーグ三塁手部門でベストナイン、ゴールデングラブ賞に輝いた宗佑磨内野手(オリックス)の名前も。遊撃手として入団した宗は外野への転向を経て、プロ7年目にしてついに高い潜在能力を発揮した。

同年のイースタンでは平井克典投手(西武)が挙がる。2018年には64試合、2019年には81試合に投げるという鉄腕ぶりで西武投手陣を支えてきた。

2016年のイースタン優秀選手には山川穂高内野手の名前がある。この年1軍でも14本塁打し飛躍のキッカケをつかむと、2018年には47本塁打、2019年には43本塁打で2年連続のキングとなった。また楽天の安樂智大投手は今季、セットアッパーという働き場所を得て58試合に登板、3勝22ホールド、防御率2.08という素晴らしい成績を残した。

同年のイースタン殊勲賞に選ばれているのが岡本和真内野手(巨人)だ。2018年から1軍で4年連続30発、今季はゴールデングラブ賞も獲得と、攻守にトップレベルの選手へ成長した。5年前まで遡ると、後に1軍で大成した選手が多いことに驚く。

今年の表彰選手にも、1軍で初打席初本塁打を記録した来田涼斗外野手(オリックス)、2軍の投手3冠村上頌樹投手(阪神)、2軍で19発、64打点を叩き出し2冠に輝いた渡部健人内野手(西武)ら楽しみな名前が並ぶ。誰がスターダムを駆け上がるのか楽しみに見守りたい。(Full-Count編集部)

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